2009年頃から始まったK-POPアイドルのブーム

第2次ブーム

第1次ブームの盛り上がりが落ち着きを見せた数年後、2009年頃から、東方神起に続いてBIGBANG、KARA、少女時代などK-POPアイドルが続々と日本で人気になったことで生まれたのが第2次ブームだ。男性アイドルはもちろん、女性アイドルも、憧れを抱く若い女性ファンたちの心を掴んで人気を集めた。2011年の第62回NHK紅白歌合戦には3組の韓国アイドルが出場し、チャン・グンソク主演のドラマ「美男<イケメン>ですね」が大ヒットするなど、若年層の女性を中心にブームが盛り上がった。

韓国アイドルたちの人気の高まりと共に、彼らが好きなコスメやフードもまた脚光を浴びた。新宿に近く、もともと多国籍な地域だった新大久保が「コリアンタウン」として発展し、若い女性たちが韓国のアイドルグッズ・コスメ・フードを楽しむ場所になっていったのも、この頃からである。

「インスタ映え」する韓国フードが話題になった

第3次ブーム

また数年を空け、2016年頃からはコスメやフードの「SNS映え」を原動力に第3次ブームが起きていった。これまでの第1次・第2次ブームはドラマやアイドルの人気が主導する形で盛り上がったのに対して、第3次ブームはフードやコスメがSNS上でバズることで盛り上がりが生まれていったのが特徴とされている。

ちょうどスマートフォンとSNSがライフスタイルに浸透しきったタイミングで、特にインスタグラムを通じて、沢山のチーズが伸びるチーズタッカルビやチーズハットク、派手な見た目の韓国風かき氷のパッピンスなど、「インスタ映え」の韓国フードが話題を呼んだ。

ファッションやコスメでも、「韓国っぽスタイル」「韓国ガール」といったキーワードが人気になり、なかでも韓国の美少女メイクを意味する「オルチャンメイク」は大きくバズった。高品質で低価格、なおかつ新しいコスメが次々に開発される韓国コスメは人気ジャンルとして定着し、クッションファンデやシカクリームがヒット商品になった。通販サイト「@コスメ」では、2018年頃から韓国ブランドが大きく成長を見せ、年間のベストコスメアワードにランクインした。

白い背景にファンデーションとパフ
写真=iStock.com/Sharlotta
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フードやコスメが、エンタメと相乗効果を生むのはこれまで通りで、世界的な人気を獲得した韓国アイドルのBTSやTWICEが日本でもファンを増やしていくと、アイドルたちのSNSに登場するフードやコスメもさらに注目された。2019年に公開された韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が米アカデミー賞で非英語作品として初の最優秀作品賞を受賞する快挙を果たすなど、韓国エンタメが世界での評価や人気を確立したのも第3次ブームの時期である。