もう一度公共放送NHKとは何かを再定義するべき
話をMLBと「ニュース7」の関係に戻そう。
どう行われるべきだったのかは、やはりSNSのつぶやきの中にヒントがある。
「サブで大リーグやってるのに、ニュース7でも大リーグやるのはやりすぎだった」
「ニュース7内に大谷くんの中継も含めるなら、字幕が何かでお知らせ欲しかった」
「最初からニュース7を短くすれば良かったのでは」
「ニュース7を18時30分とかから放送しておけば良かったんじゃね」
これらはいずれも一理ある。
サブとメインの両方で放送するために画質が落ち、野球ファンからも不平が出ていた。二兎を追ったことのマイナスだったと言えよう。
事前のお知らせがないための不満も出た。知らなかったために見逃した、あるいは録画に失敗したなどの不満が視聴者に生じていたのである。
もしMLBは欠かせないと判断したのなら、ニュースの側が譲歩する選択もあった。夕方6時台に放送を前倒しする方法や、7時台にこだわるなら冒頭5分で1日のラインナップをやり、その後はパドレスの攻撃中(大谷が映らない)やイニングの変わり目に数分ずつニュースとする手もあった。ダルビッシュが降板した後は、打順的に大谷が打たないイニングもニュース時間にできただろう。
リアルタイムにテレビ放送を見る人々のニーズとは何か。
公共放送として伝えるべきニュースや娯楽とは何か。
今回のNHK「ニュース7」が得た高視聴率という“恍惚”と、SNSに批判が殺到したという“不安”は、NHKの放送姿勢が定まっていないことに起因するのではないか。
経営、編成、放送現場、そして調査研究分野の人々が、もう一度公共放送NHKとは何かを再定義しないと解決策は見えてこないだろう。次の一手では、ぜひ説明責任を果たしていただきたい。