意識を変えれば出会いが変わる

婚活を始めたS子さんが心ひかれるのは、「どこか不安そうな人や、陰のある人」。

つまり「私が幸せにしてあげなければ」と思わせる男性ばかりだという。S子さんは結婚相談所に登録しているが、これまで「おつきあいしたい」と思ったのは、そこで紹介された男性ではなく、友人を通じて出会った人や、行きつけの店で偶然出会った人だった。

しかし、「おつきあいしたい」と思った男性の多くは結婚に向いていない。そもそも結婚する気がない人も多い。これまでにS子さんが好意をもった男性は、S子さんが結婚をほのめかしたとたんに「オレはダメな男だ」「キミを幸せにすることはできない」などという言葉を残して去っていったという。

女性の肩に手を置く男性
写真=iStock.com/kitzcorner
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そんなS子さんに必要なことは、「意識を変えること」。私がアドバイスしたのは、たったひとつ「あなたは、すでに愛されていますよ」ということだ。

S子さんは、「自分は努力をしなければ愛されない」と思い込んでしまっている。だから、恋愛の相手にも努力のしがいがある男性を選んで尽くそうとする。

S子さんに必要なのは、「何もしなくても、自分は親に愛されているし、将来のパートナーにも愛される」という意識を持つことだ。

そう伝えると、S子さんは驚きつつもハッとした表情をして、「そういえば」と思い出話をしてくれた。S子さんはミュージシャンに失恋したときに、ショックのあまり食事が喉を通らなくなってしまったという。憔悴しょうすいするS子さんを見て、母親は詮索することなく、そっと寄り添ってくれた。

「言葉でわかりやすい愛情表現をする母ではないけれど、私が何もしていないときだって、ちゃんと愛情を伝えてくれていたんですよね」。

S子さんは、目に涙をためて喉を詰まらせながら話してくれた。

もし、そうは言われてもなかなか意識を変えるなんて難しい……と思われる方は、「自分はすでに愛されている」と認識するために、ぜひ以下のワークを行ってみてください。

認識をチェンジするワークのやり方

少し時間をとって、次のことを自分に質問し、伝えてみてください。タイミングは湯船に浸かっているときや寝る前などのゆったりした時間がおすすめです。時間は5分程度、長くても10分ほどでOKです。

「もしも私が愛されているとしたら? 今のままの私が愛されていると仮定して、愛されている証拠を探してみよう」

一度聞いただけでは、なかなか自分の中に答えが浮かんでこないかもしれませんが、毎日、自分に問いかけるうちに、何かしらの証拠を見つけられるようになります。

愛されている証拠が浮かばず私は愛されて「ない」と思ったときでも、次のように自分に問い、伝えることで、その日のワークを終了してください。

「愛されているとしたら? 愛されている証拠はあるから、言葉にしてみよう」

家族や友人、学校、近所の人、職場の人、過去~今、自分に関わってきた人を振り返って、思い出してみましょう。ポイントは、愛されている証拠はあるという前提に立ち、どんな小さなことでも見つけていくことです。

自分の心が楽になるまでや何かしらの気づきが起こるまでやるのがいいのですが、まずは1週間試してみていただければと思います。