自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、衆議院政治倫理審査会が開かれ、安倍派の事務総長経験者4人のほか、岸田文雄首相も出席した。元厚生労働大臣の舛添要一さんは「会計責任者の処分だけというのは納得がいかない。さらに岸田首相は大臣規範を率先して破っており、万死に値する」という――。

政府の要職から安倍派幹部の名前が消えた

昨年末以来、自民党派閥のパーティー券問題で国政が揺れている。安倍派の5人衆と言われる松野博一官房長官、西村康稔経産相、萩生田光一政調会長、高木毅国対委員長、世耕弘成参院幹事長が役職を辞任するなど、政府の要職から安倍派の名前が消えた。

検察は、捜査の結果、派閥の会計責任者を起訴したが、安倍派幹部の国会議員については不問に付した。

岸田首相は、1月23日に岸田派の解散を断行し、安倍派、二階派、森山派も同様に解散した。1月25日には、岸田総裁が本部長を務める自民党政治刷新本部が「中間とりまとめ」を公表。派閥については解消して「政策集団」にすること、政治資金については政策集団の収支報告書に外部監査を導入することなどが、その内容である。

政治家も責任を取って辞任すべき

1月26日に通常国会が召集され、パーティー券収入の還流・不記載問題について、野党から自民党への厳しい追及が続いた。しかし、全容を解明せよという国民の声が強まり、2月29日、3月1日に衆議院政治倫理審査会(政倫審)が公開で開催された。

岸田首相が自ら政倫審に出席するという決断を下したことによって、公開での開会が決まったのである。予算案の期日内成立を確実なものにするため、岸田首相が動いたと言えよう。

しかし、出席した岸田首相、二階派の武田元総務大臣、西村、松野、塩谷、高木各氏の発言は、従来の説明の繰り返しであり、新たな事実は明らかにならなかった。

1000万円を超えるようなキックバックの不記載で、会計責任者のみの処分で済むというのは、私には納得がいかない。

会計責任者のみの処分で済むというのは納得がいかない
写真=iStock.com/Ngampol Thongsai
会計責任者のみの処分で済むというのは納得がいかない(※写真はイメージです)

私は、国会議員時代の政治資金「収入」については全て正しく記載したが、「支出」について5年間で30万円の記載ミスがあった。そのことの責任を問われて、都知事を辞任することになった。会計責任者のミスとはいえ、私自身が責任をとったのである。