新しい習慣や良い習慣を定着させるには、どうすればいいのか。スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長の星友啓さんは「行動を起こすまでの手間が習慣化を阻む。20秒の手間を増減させるだけで、意志力を使わずに自分をコントロールできるようになる」という――。

※本稿は、星友啓『スタンフォード大学オンライン高校の校長が教える 世界の研究に基づいた 勉強法大全』(KADOKAWA)を再編集したものです。

自宅オフィスでのコンピューター
写真=iStock.com/Olga Yastremska
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「めんどくさい」という脳の壁を操る

ハーバード大学の人気講義をベースにした世界的ベストセラー『幸福優位7つの法則』。著者のショーン・エイカーは、ギターの練習を習慣にしようとしましたが、何度やっても三日坊主で終わってしまいました。

その理由は、ギターがクローゼットの中にあったからです。練習するには、「クローゼットまで歩く→ドアを開ける→ケースを取り出す→ケースを開ける」という手間が必要で、これには20秒かかりました。しかし、このたった20秒の手間が、脳にとっては「めんどくさい」という巨大な壁になっていたのです。

そこで彼はギタースタンドを買い、リビングにギターを出しっぱなしにしました。すると、すぐに手に取れるようになり、練習が毎日続くようになったのです。これが「20秒ルール」です。

人間は本能的にラクを求める生き物です。行動経済学では、行動を起こすまでの手間を「摩擦(フリクション)」や「反応努力」と呼びます。

やりたい良い習慣(勉強)については、この手間を20秒減らす。逆に、やめたい悪い習慣(スマホ、ゲーム)については、手間を20秒増やす。たったこれだけの調整で、意志力を使わずに自分をコントロールできるようになります。