テクノロジーと行動の摩擦
近年では、アプリやSNSがいかにこの「摩擦ゼロ」を利用して私たちの時間を奪っているかが指摘されています。スマホのロック解除からアプリ起動まで数秒もかかりません。だから私たちは無意識に使ってしまうのです。
逆に、行動分析学の研究では、必要な労力(レバーを押す重さなど)をわずかに増やすだけで、その行動の頻度が劇的に下がることが実験レベルから証明されています。
実践ステップ
① 良い習慣の手間を減らす(勉強)
● 20秒減らす:教科書とノートは机の上に開きっぱなしにして寝る。
● 筆記用具:すぐ書けるペンを机に出しておく。
● アプリ配置:スマホのホーム画面の1ページ目に学習アプリを置く。
② 悪い習慣の手間を増やす(スマホ・ゲーム)
● 20秒増やす:勉強中はスマホを別の部屋に置く(取りに行くのに20秒かかる)。
● 電源オフ:スマホの電源を切る、または「おやすみモード」にする。
● ログアウト:SNSアプリから毎回ログアウトする(パスワード入力の手間を作る)。
● 隠す:ゲームのコントローラーや漫画を、棚の奥や箱の中にしまう。
意志力を使わずに「自動操縦」で動く
学校からの帰り道、ダイエット中なのに気づいたらコンビニで唐揚げを買っていた……なんて経験はありませんか? 「買わないぞ」と決めていたはずなのに、店の看板(合図)を見た瞬間、体が勝手に動いてしまう。
これは悪い習慣の例ですが、この「脳の自動反応」を逆手にとって、良い習慣を作る最強のテクニックが「If‐Thenプランニング」です。
If‐Thenプランニングは、「もし(If)Xという状況になったら、その時は(Then)Yという行動をする」と事前に決めておく方法です。
私たちの脳は、「やるぞ!」という意志の力だけで行動するのは苦手です。意志の力は電池のように消耗してしまうからです。しかし、「条件(If)」と「行動(Then)」をセットで決めておくと、脳はその条件が来た瞬間に、考えることなく反射的に行動できるようになります。

