「テンション・コントロール」で脳を活性化させる

自分に合ったストレス解消法を取り入れて脳をダメージから守り、認知症を予防していくのもいいですが、このような一過性のもので一時的に乗り切るのではなく、脳科学の見地から私が特にお勧めしたいのが「テンション・コントロール」というものです。何か物事に当たって、自らテンションを上げるのです。

「あいつ、なんかテンション高くない?」

まわりからそう思われるくらいがちょうどいいのです。

空回りしたって構いません!

学生でもそうです。試験勉強をしているときに、試験の前日なのにダラダラとテンションが変わらない人は、やはりいい成績を収めることはできません。

「明日は試験だ! 頑張らなくちゃ!」

と、そこでグーッとテンションを上げられる人のほうが、脳がうまく活性化して勉強もどんどんはかどっていくのです。

勉強をする制服を着た少女
写真=iStock.com/miya227
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ストレスは脳に悪いことばかりではない

多くのビジネスパーソンは、日頃どれほどのプレッシャーを自分自身にかけて仕事に向き合っているのでしょうか。

私が知る限りにおいては、多くの人はそういう経験をせず、日々を過ごしています。

多くのビジネスパーソンがストレスに悩んでいるというのが、何よりの証拠ではないでしょうか。

ストレスに抵抗する能力である「ストレス耐性」には個人差があり、ストレスは受け止める側によって影響の度合いが変わります。

これもまた、脳がどれだけストレスに耐えることができるかということにもつながっていきます。

ただし、ストレスをまったくかけない生活でも脳機能は衰えていってしまいます。

たとえば、ほどよい緊張感からドキドキしたり、高揚感からワクワクしたりする体験というのは、逆に脳の機能を高める効果があるのです。

ストレスがまったくない環境では、意欲の低下が生じてしまうので、ただ単調な毎日を過ごしてしまい、脳の活性化はストップしてしまうのです。

つまり、ストレスは脳に悪いことばかりではないということです。

ここで重要なのは、ストレスのダメージをカットするよりも、普段からストレス耐性を鍛えて高めることを意識するということです。

もし、普段のストレスレベルが30だとした場合に、60のストレスに耐える方法を知っていれば、30のストレスなどたいしたストレスではなくなります。