脳をうまく休ませている人は何をしているか。脳科学者の茂木健一郎さんは「職場の飲み会は心身ともにリラックスする機会になるかもしれないが、脳を休めるには一人時間が大切だ。そのため、家に帰るときの夜道の10分、20分、30分の間、1日の出来事や自分が今考えていることなどを振り返るといい。また『睡眠前に1日を振り返ってみる』こともおすすめだ。1日の出来事を前向きに振り返ることで、睡眠中に脳内整理の手助けとなるだけでなく、質の良い睡眠を取ることにもつながる」という――。

※本稿は、茂木健一郎『脳をしっかり休ませる方法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

レストランでビールとサワーで乾杯する人々
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職場の飲み会では脳は休まらない

社会人として会社に勤めている以上、避けては通れないのが職場の仲間たちとの飲み会です。

職場の飲み会の目的の1つには、社員同士が親睦を深めて円滑なコミュニケーションを図りながら、楽しく仕事をするというものがあります。

ところが、職場の人と飲みに行くと、ついつい愚痴や人の悪口が出てしまう。そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

確かに、愚痴をこぼしたり、お酒の勢いを借りて上司の悪口をいったりすることで、ストレス発散になるかもしれません。

「上司が正当な評価をしてくれない!」
「自分が輝けないのは、今の会社の制度が悪いんだ!」

このように、愚痴や上司の悪口が出てしまう人は、職場の飲み会がストレスの捌け口になっていることは否定できません。

ですが、こうした飲み会は、たとえストレス発散といった効果があったとしても、脳を休ませるということにはなりません。