ドジャース大谷翔平の後輩・花巻東高3年の佐々木麟太郎が米国スタンフォード大学へ進学することをめぐって波紋が広がっている。スポーツライターの酒井政人さんは「TBS役員の安住紳一郎アナなど一般受験枠で合格を手にした人々の中には、最近増えている推薦やAO枠で入学する学生を認めないという意識を持つケースがある。佐々木選手が文武両道で活躍すれば、米国大学進学を選択する高校球児も増えるのではないか」という――。
米スタンフォードに進学を決めた花巻東高の佐々木麟太郎内野手=2024年2月20日、岩手県花巻市
写真=時事通信フォト
米スタンフォードに進学を決めた花巻東高の佐々木麟太郎内野手=2024年2月20日、岩手県花巻市

4年間の学費約5000万円は全額免除…佐々木麟太郎への意地悪多発

甲子園を賑わし、高校通算最多140本の本塁打を放った岩手県の強打者が米国の超名門スタンフォード大学に進学する。記者会見をした花巻東高3年の佐々木麟太郎は、「世界でもトップの大学で勉強し、野球選手としてプレーさせていただくのは光栄ですし、誇りに思っています」と文武両道への決意を語った。

このニュースは日本国内で大きな話題になっている。

そのなかで、なぜ佐々木が「THE世界大学ランキング2024」(Times Higher Education)で国内最上位である29位の東京大学を上回る世界2位の大学に行けるのか、という疑問を持つ者は少なくない。大学受験を頑張ってきた大人たちは大いに戸惑っているようだ。

花巻東は岩手県花巻市にある私立高校。その偏差値は「高校偏差値ナビ」によると、特別進学コースが46、スポーツコースが43、進学コースが42となっている。

なかには偏差値を大きく上回る生徒がいたとしても、偏差値50未満の高校から、東大以上の評価を誇る世界屈指の超名門大学の進学を不思議がるのも無理はないかもしれない。

佐々木は一般受験ではなく、日本でいう「スポーツ推薦」のようなかたちでの入学となる。米国の学費は日本と比べてかなり高額だ。そのため奨学金(スカラシップ)の獲得を目指す生徒は少なくない。対象はスポーツだけでなく、芸術、社会貢献など多岐にわたる。

NCAA(全米大学体育協会)はディビジョン1の大学はアメフトなら85人、バスケなら13人というように奨学金の人数(分)が決められており、基本的にはこの総額がチームに所属する学生全員に分配される(※均等ではなく、個々により受給額は異なる)

なおスポーツ奨学金は国外の学生も対象だ。佐々木の場合、各種報道によると、4年間の学費約5000万円は全額免除で、さらに約1700万円に上る寮費、食費も全額免除だという。