TBS役員の安住アナほか、一般受験以外は評価しない大人たち

学閥意識の強い企業があるとはいえ、社会人になると出身大学を聞かれる機会は少なくなっていく。ましてや入試方法を聞いてくる者はほとんどいない。

一方、TBSの安住紳一郎アナウンサー(50)が、大学入学共通テストが行われた1月14日放送のTBSラジオ「日曜天国」の中で、「指定校推薦で進学されたみなさんと、AO入試で進学されたみなさんに対しての気持ちは少しわだかまりがある」と話したように、“推薦組”を認めたくない人たちがいるようだ。

安住アナは、この放送の中で、

「指定校やAOのみなさんがそれぞれの努力をしたということは私も知っていますけれども、私自身の心の中では自分と一緒ではないというふうな気持ち」

「今ここで、一般受験で苦しんでいる諸君がいるならば、社会に出たときにちゃんと一般受験の門をくぐってきた先輩たちが、そういう指定推薦組には若干の意地悪をしているからおおいに今日頑張って」

とも述べている

北海道の帯広柏葉高校から一浪(代ゼミ札幌校)後に、明治大学文学部に合格した安住アナは、現在、TBSで「コンテンツ戦略本部 アナウンスセンター 役員待遇 エキスパート職」の肩書を持つ出世社員だ。

受験勉強で苦労し、社会人になってからも頑張ってきた自負の強さゆえに、「推薦はズルい」といった心証を抱いているのだろうか。

ただ、そうした思考はもはや時代遅れといえるだろう。近年、大学も“多様性”を求めている。一定レベルの学力を持つ生徒だけでなく、特殊な才能を持つ生徒に入学してもらいたいと考えている。

安住アナが総合司会をしているTBS「THE TIME,」公式Xより
安住アナが総合司会をしているTBS「THE TIME,」公式Xより

「AO入試ならバカでも入れる」は20年以上前の認識

文部科学省の調査によると、大学・短大の2022年度入試では私立大学の一般選抜(一般入試)は48.8%。なんと半数以下になっているのだ。一方で総合型選抜(AO入試)が19.7%、学校推薦型選抜(推薦入試)は31.5%に増えている(※2000年度では国公立大学と私立大学を合わせたAO・推薦入試比率は33%だった)。少子化で大学全入の時代にあって、学校側が学生確保のために推薦枠を拡大させている面はある。だが、それだけが非一般入試枠の増加の理由ではない。

大学関係者の中には「受験前に追い込みで頑張るタイプより、中学・高校と一貫して真面目に学び、成績が上位で推薦の査定も高いAO・推薦で入学した学生のほうが大学に入って伸びている」といった声も少なくない。

大学ジャーナリストの石渡嶺司さんはプレジデントオンラインで『「AO入試ならバカでも慶応に入れる」はウソである…慶応SFC合格の鈴木福が間違いなく優秀と言えるワケ』(2023年5月11日配信)と題した原稿を執筆し、この中で「ネット上では『AO・推薦だから簡単』という批判が目立ったが、それは20年以上前の認識による誤ったものだ。過去の経験やイメージで判断しないほうがいい」としている。

では、日本の大学スポーツ界における推薦枠はどうなっているのか。例えば、筆者がメインに取材している箱根を含む大学駅伝に関していえば、早大のスポーツ推薦は長距離が3枠ほどしかなく、基本的に授業料免除もない。

一方で選手への手当が充実している大学は少なくない。駅伝強豪校の多くはスポーツ推薦が1学年10~15人ほど。選手全員を授業料免除にしている大学もあれば、授業料、寮費、食費、合宿費の免除に加えて、月に数十万円の奨学金を渡すなど手厚い大学もあるのだ。

そうしたスポーツのブランド校にスポーツ推薦で入学する選手のなかには、出身高校の偏差値が低い場合もある。そう考えると、佐々木のスタンフォード大入学も特に違和感はない。