「褒められたけど、本心ではないだろう」

・良いところを認めない

ポジティブな出来事や結果を否定・軽視する考え方のクセです。

人から褒められたり、「あれは良い経験だったよね」と声をかけられたりしたときに、「いや、でも……」とつい否定的な言葉で打ち消してしまう傾向が、とくに日本人には多いかと思います。

テストに合格しても「たしかに合格はしたけれど、簡単な問題だったから誰でも受かる」「他の人にとっては大事なテストかもしれないけれど、私にとっては重要ではなかった」などと、ポジティブな出来事の価値を下げようとします。

人に優しくされたときにも、「ビジネスの都合上、優しくしているだけ。本心ではない」と感じたり、「今日は、たまたま相手の機嫌がよかっただけ」と捉えたり、受けとったポジティブな気持ちをなかったことにしてしまいます。

いやいや、ポジティブな物事は素直に受け止めようよ! ということですね。

「誘いを断られた、私のことが嫌いなんだ!」

・論理の飛躍

目の前の現実から根拠もなく飛躍して、悲観的な結論に結びつけてしまうのが、「論理の飛躍」です。

「心の読みすぎ」や「勝手な未来予知」と呼ばれる飛躍の種類があります。

心の読みすぎは、英語ではmind readingと呼ばれるもので、相手の胸の内を勝手に推測してしまうことから始まります。他人のことはわからない、という基本原則から離れてしまうわけです。

たとえば、遠くで友人たちがこちらを見て笑っているのを見たとき、なんの根拠もないのに「きっと私のうわさ話をして笑っているんだ」と感じたり、遊びの誘いを断られたときに「私が嫌われているからだ」と思ったり。

「勝手な未来予知」は、脳神経学的にはfortune tellingといわれ、一般には「占い」、あるいは「予言」を指す語彙ごいでもあります。「勉強しても、絶対に不合格になる」「パーティに参加しても誰も声をかけてくれないだろう」などと、何かささいな出来事をきっかけに、まだ起こっていないことを悲観的に決めつけます。また、たまたま占った通りの結果になるとますます思いこみに拍車がかかり、論理の飛躍思考が強まるのも特徴です。

宿題で問題を一つ間違えた→今度のテストで赤点だ→受験も落ちるに違いない→進学できないし、将来何の仕事にも就くことができない→孤独で不幸な人生を送るに違いない……といった、まわりの人から見れば、「どこの占い師なの?」というつっこみが入りそうな思考法(英語で、「ほらまたfortune tellingしてる!」のような言い回しがあります)ですが、当人は気づかぬうちにそこまで沼にハマってしまうことも。