VI.自己を知る練習

価値観など、選択において必要となる自己の「基準」がはっきりしていない人のための練習である。

ここでする練習とは、さまざまな場面での自分の判断(選択)を確認することにより、自分がどんな欲求や価値観を持っているかを自覚しようとするものである。自分が安定志向なのか冒険志向なのか、仕事重視なのか家庭重視なのか、転職問題などの人生の岐路で悩まないためには、せめてその程度は理解しておいたほうがよい。また、その自覚のうえにした選択のほうが、後悔しなくて済むはずである。

VII.踏み出す練習

行動に出るべきときに、失敗を恐れて迷ってしまう人のための練習である。

といっても、「失敗しても何とかなるさ」といったプラス思考への転換の練習ではない。「失敗の不安」をすべて洗い出し、徹底的にその対策を考えてみるという方法である。不安を受容したうえでどうするかを考えるのだ。

行動力の高い人は、単に楽天的だから動けるのではない。自分の中にある不安と正面から対峙し、それを乗り越える努力をするから行動できるのだ。たとえば、自分でビジネスを始めようとすれば、誰でも失敗のリスクを考えるだろう。しかし、行動力のある人なら、「不安だから」で止めてしまうことは決してない。その不安を直視し、リスクを洗い出し、それへの対策を徹底的に考えようとするはずである。

不安を覚えるたびにこれを繰り返し、不安を軽減し続けていけば、最後には必ずや「実行したい気持ち」が「不安」を上回ることになる。つまり行動を起こせるようになるのである。

勇気とは、実は考え抜く力の別名なのである。