3つのテーマを理解している政治家はごくわずかしかいない

君がもし部活やサークルに所属していたら、基本的な構造は同じはず。

まず、全国大会を目指す強豪チームを作るのか、和気あいあいとみんなで楽しむ集まりにするのか、部活の方針を決める。それに伴い、必要であれば部費を徴収する。さらに、役割分担を決める。リーダーは誰か、レギュラーは、補欠は、掃除当番は誰にするか。そういう組織の成り立ちがそのまま、政治にも反映されています。

泉房穂『10代からの政治塾 子どもも大人も学べる「日本の未来」の作り方』(KADOKAWA)
泉房穂『10代からの政治塾 子どもも大人も学べる「日本の未来」の作り方』(KADOKAWA)

「方針」「予算」「人事」という大きな3つのテーマにたずさわり、それぞれを決める権利があるのは、市長や総理大臣といったトップの政治家に限られています。

市長という仕事はやりがいがあると言ったのは、そういう理由もあるんです。同時に、市長や総理大臣に限らず、政治家であれば必ず理解しておくべきポイントでもあります。「方針」「予算」「人事」の3つのうち、どれか一つでもブレると、街やそこに住む人の暮らしを変えることはできません。もちろん、国もです。

では、今の政治家は果たして、この3つを正しく理解できているのでしょうか?

残念ながら、理解している政治家はごくわずかです。市長に関しては、「自分にこの3つを動かす大きな力がある」と自覚している人自体がほとんどいません。大げさな物言いではなく、今の日本に、本当の意味での政治家はいないと言ってもいい。「政治家とは方針転換ができる人」だと述べましたが、まさに市長こそが、方針転換をするべき人で、その権利を持っている人です。

もし君が将来、市長を志すことがあれば、その力を存分に活かせるような市長になってください。

【関連記事】
20代支持率が「50%→10%」に急落…岸田政権によって「若者の自民党離れ」がついに始まった根本原因
汚職事件に「私に徳が足りないのが悪い」と心を痛めた…「保守政治家」が肝に銘じるべき昭和天皇の逸話
これだけは絶対にやってはいけない…稲盛和夫氏が断言した「成功しない人」に共通するたった1つのこと【2023上半期BEST5】
なぜ東大生の親は「子供に勉強を教えない」のか…わが子を「勉強好き」に育てるために本当に必要なこと
「地方を見捨てる」という悪魔の選択が始まった…「能登半島地震」で露呈した日本社会の重苦しい未来