将来、国語の成績が下がったり、勉強が得意でなくなってしまった場合に、「女なのに国語ができないなんて」「お父さんの子なのに」などと感じてしまうかもしれません。それでは、変えられない自分の生まれ持った特徴をポジティブに捉えている場合でも、それが逆に大きなプレッシャーになってしまい悪影響が出かねません。

このように、子どもを優しくサポートするかのようなポジティブなレッテル付けも、看過できない危険性をはらんでいます。ネガティブでもポジティブでも、子どもにレッテルを貼り過ぎないように日頃から肝に銘じておきましょう。

絶対にやってはいけない「最悪の声かけ」

次に、子どもが間違えたときの声かけについても解説しておきましょう。

間違えた瞬間が学ぶための最大のチャンスです。そんなとき、ネガティブな言葉でまくし立ててしまうと、子どもはちぢこまってしまいます。

子どもの学ぶ姿勢を萎縮させて、間違いを避ける習慣がついてしまうと、最高の学習機会が無に期してしまいます。そこでいくつか誤った声かけの例を見ながら、考えていきましょう。

「そんな簡単な問題、なんでできないの」

ひどい声かけとはわかっていても、ついつい力が入ると似た言葉が口をついて出てしまうものです。

叱られた少年と母親
写真=iStock.com/takasuu
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まず、「そんな簡単な問題」と決めつけてはいけません。「簡単なはずなのに、自分にはそれができない」と、子どもに思わせてしまったら、勉強が嫌になってしまいます。

学習の難易度や教材のレベルは、子どもの現在の進度や能力に合わせなければいけません。親が決めつけた難易度のレベルに子どもを無理やり当てはめようとするのは本末転倒で、逆効果になってしまいます。

もし、教材のレベルが子どもの現在の学習進度に合っていないのならば、子どもをまくし立てずに、必要なレベルに達するための具体的なサポートを考えたり、現在の教材が子どもにフィットしているかを再評価してあげましょう。

だから勉強する意欲はどんどん下がる…

「本当にがっかり」

こちらはまず「がっかり」などと、親側のネガティブな主観を一方的に表現してしまっているのがまずいでしょう。頑張って問題に取り組み、その努力が生み出した結果が、目の前にいる大切な人をがっかりさせてしまった。子どもにそう感じさせては、学習への意欲をそぐだけです。

子どもが間違ったり、学習の評価が基準に達していない場合には、主観に基づくネガティブな表現を避けましょう。より客観的な視点からアプローチして、どこがどのように間違っているのかを説明して、子どもが次のステップに進めるように手がかりを与えることが大切です。

「もう1回やってみて」

確かに、反復練習が必要な学習過程もあります。しかし、一度できなかったものを単に繰り返すように指示するだけでは、どうやり直したらいいかがわかりません。