もう一回というのであれば、2回目にチャレンジするためのアドバイスや、次のステップをサポートしてから、再挑戦を促すべきです。単に、「やり直せ!」だけでは、どうしたらいいかわからず、学習への嫌悪感だけが焼き付いてしまいます。

子供が間違えたときこそ「絶好の機会」である

子どもが間違えたとき、まずは、子どもがその問題にチャレンジしたこと自体を褒めてあげましょう。

教材のレベルが高かったにもかかわらずチャレンジができたことや、間違いから新たな学びを得る機会ができたことなどについて、ポジティブに褒めてあげるのが、ベストな声かけです。

子どもが間違えたときには、以下の点に注意して、声をかけましょう。

1.間違ったその瞬間にこそ脳が効果的に学べることを伝える。
2.チャレンジしたこと自体を褒める。
3.ネガティブな主観を表さず、間違いを客観的に説明する。
4.問題が子どもの学習進度に合っているかどうか考える。
5.やり直しの場合は、やり方の方向性をアドバイスする。
これらの点に注意すると、たとえば、以下のような声かけができます。

「難しかったね。でも、よくチャレンジしました。ここがこうなので、ああしなくては いけないの。この点に注意して、こっちの問題をやってみたらどう?」

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また、子どもが問題に取り組んで間違えるのではなく、「わからない」と報告するような状況もあります。その場合も、この考え方を応用しましょう。

何かがわからないということがわかるのは、その何かについて考えてみたからわかること。まずはその姿勢を認めてあげることから始めましょう。その上で、問題の考え方をアドバイスしたり、ヒントを出してあげます。

一方で、「わからない」が、単にその課題をやりたくないという意思表示の場合もあります。そう判断したならば、現在の学習方法や条件が子どもの学びに合っていないと仮定して、変えられる点を考えてあげましょう。

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