2人目の子供を妊娠していることが分かった2週間後、フェルナンデスはついに決着をつけた。夫と浮気相手のメールのやりとりを全部プリントアウトし、ある朝、それを夫の衣類を詰めたダッフルバッグと一緒に彼の車のフロントシートに置いたのだ。

「その朝、夫が出かけた後で彼にメールを送った。本当のことを知ってる、あなたとはもうやっていけないって」

仕事で長時間行動を共にしたことが浮気に関係したに違いないとフェルナンデスは考えている。夫と浮気相手は「毎日、時には週末も一日中緊密に連絡を取り合って仕事をしていたから」。

メディカルエステティック業界で20年間販売員として働いたジニー・プリームは、「この業界では浮気が目立って多いことを目の当たりにした」と言う。

販売会議や出張が非常に多くパートナーと離れざるを得ないので、浮気のチャンスは多かった。

「一緒に仕事をした男性が自分のホテルの部屋の鍵を渡して、私を部屋に誘おうとしたことが2回あった。彼は当時も今も結婚していて子供が1人いる。あんな経験をしたのは私だけじゃないと思う」とプリームは言う。

プリーム自身、彼女の出張中に個人トレーナーをしている夫に浮気された経験がある。「浮気に気付いたのは浮気相手の1人が名乗り出たから」だとプリームは言う。浮気には「私が出張の多い仕事で、夫は時間の自由が利く仕事だということもきっと関係していると思う」。

「職場妻」や「職場夫」も

こうした不倫の悲惨な話は、浮気しやすい職種があることを示唆している。時間が不規則で、職場での催しや会議などが多い職業は浮気の可能性が高いと、専門家は指摘する。実際に販売、医療、教育の分野は職場不倫の温床だ。

「プレッシャーの強い環境、競争的な構造、明確な倫理的ガイドラインの欠如などが原因で浮気しやすい職業がある」と、ニューヨークを拠点とするセラピストのリン・スターンリヒトは言う。