大根、ゴボウ、レンコン、ニンジンそしてキノコも

ほかに冷凍保存に向く野菜はニラ、ブロッコリー、キャベツなど。トマトは比較的日持ちする野菜ですが、冷凍すればさらに長く置くことができ、パスタソースやカレーなどに重宝します。逆に冷凍に向かないのは生食が基本のレタスやキュウリなど。

『プレジデントFamily2024冬号』(プレジデント社)
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また、ジャガイモやサツマイモなどの芋類は糖質が多いのでやはり冷凍には不向きです。常温で保存したほうが熟成が進んで甘みが増すのでおいしく食べられます。

これからの時季、味わいを増す根菜類はどうでしょうか。結論からいうと、冷凍にするメリットはあり。例えば大根は凍結させたほうが短時間でやわらかくなり、味も染みやすくなります。厚めの輪切りにして冷凍しておけば、冬の定番、おでんにうってつけ。

ニンジンも同様で、シチューやカレーに活躍するでしょう。ゴボウやレンコンも切って冷凍しておくと、煮物はもちろん、きんぴらもささっと手早くつくれます。

こうした野菜とともに、個人的にイチオシなのがキノコ類です。冷凍すると細胞壁が壊れるというのは先述の通りですが、キノコ類の場合、これによって酵素が働いてグアニル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸といったうまみ成分をつくり出せるのです。

キノコ
写真=iStock.com/petesphotography
※写真はイメージです

加熱調理すると2度にわたって酵素が働くことになり、うまみが3〜4倍にアップするといわれています。また細胞壁が壊れることで免疫力に役立つビタミンD、代謝アップや美肌効果が期待できるビタミンB群、ダイエットに有効なキノコキトサンといった栄養分を体内で吸収しやすくなります。

私の場合、シメジやエノキタケ、マイタケなどをほぐしてミックスし、冷凍庫に常備しています。使うときのポイントは、解凍せずに加熱調理すること。キノコならではのシャキシャキした食感も存分に楽しむことができます。

野菜は旬の時季が最もおいしく栄養価も高い。価格も安定するので、多めに買って冷凍すれば旬の味と栄養を余さず使うことができます。

調理例 冷凍キノコを使った料理でイチオシはホイル焼き
冷凍のままホイルに包み、オーブンかオーブントースターで焼くだけと超簡単です。食べるときはポン酢かしょうゆで。レモンを搾ってもいいですね。サケやタラなど魚の切り身を一緒に包めば、タンパク質も同時に取れるうえ、キノコのうまみを魚が吸っておいしさもアップします。キノコはシイタケ、シメジ、エノキタケ、マイタケなど好みでOK。数種類をミックスすると、味も食感も多彩になって食べ応えがでますよ。


赤石定典さん
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部。管理栄養士。『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』などの本やテレビで、食事で健康になる情報を発信している。

(構成=上島寿子)
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