秋の味覚・サンマはDHAとEPAが大量に含まれ、脳が活性化し認知症の予防になると言われる。しかし昨年に引き続き今年も不漁が見込まれ、高値になっている。東京慈恵会医科大学附属病院栄養部の管理栄養士・赤石定典さんは「栄養面を考えると、定番の塩焼きはおすすめできない」という――。

※本稿は、『プレジデントFamily2023秋号』の一部を再編集したものです。

網の上で焼かれているサンマ
写真=iStock.com/kazoka30
※写真はイメージです

秋の味覚サンマをグリルで塩焼きがダメな理由

「魚を食べると頭がよくなる」という話を聞いたことがある方は多いでしょう。かつて「おさかな天国」という歌になって、スーパーでも流れていましたよね。

その立役者が魚の油に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)です。これらは体内でつくり出せない必須脂肪酸の一種で、脳や神経細胞をつくったり、情報伝達をなめらかにしたりとさまざまに活躍します。

脳が発達する成長期の子供には非常に大切で、DHAとEPAを毎日、摂取した子供は読解力が向上したという研究報告もあるのです。大人にとっても脳が活性化して認知症の予防になるうえ、血液をサラサラにし、コレステロール値や中性脂肪の値を下げる働きも認められています。

まさに頭にも体にも嬉しいDHA・EPAですが、含有量は魚によって異なります。可食部100gあたりでいうと、最も多いのはマグロのトロ。それぞれ3200mg・1400mgとダントツです。とはいえ、普段の食事に取り入れやすいのはやはり青魚でしょう。

これからが旬のサンマは2200mg・1500mgと多く、ブリ、イワシ、アジにもたっぷり含まれています。ちなみに、マグロの赤身や白身魚の含有量は2桁台。青魚は文字通り、桁違いにDHA・EPAが多いのです。

そこでいよいよ本題に入りましょう。今回、みなさんにお伝えしたいのは、栄養を余すところなく取り入れるための調理法です。

たとえば、サンマを買ったら塩焼きにしたくなりますよね。魚焼きグリルで焼けば焦げ目も香ばしく、大根おろしとスダチで食べればたまらないおいしさです。ただし、栄養面に注目すると塩焼きはあまりおすすめできません。

▼『プレジデントFamily2023秋号』発売中!

『プレジデントFamily2023秋号』(プレジデント社)

現在発売中の『プレジデントFamily2023秋号』では、「東大生150人 自走力がついた親の言葉」「アンケート、勉強が楽しくなったきっかけ」「お宅拝見、僕らの心に火が付いたわが家のルール」「子供が動く魔法の声かけ 米国流ペップトーク」などの記事を掲載しています。ぜひ、お手に取ってご覧ください。