「降圧剤で肩こりがツラい」という60代女性
筋肉の緊張が「自律神経の乱れ」や高血圧を起こしうることは、一般的にあまり知られていません。病院の診察室でも、この点についてはあまり介入がされていないというのが現状です。「自律神経の乱れ」の原因になっている「筋肉の緊張」を取り除くことができれば、血圧の上昇を防ぎ、降圧剤を手放すことも不可能ではありません。
60代女性のAさんは、2年前に高血圧と診断され、それ以来ずっと降圧剤を飲んでいました。日常生活の中では、慢性的な肩こりがどうしてもつらく、姿勢が悪いのが原因だと考え、少しでもよくなればと私の所に来られました。
Aさんの体を調べさせてもらったところ、頭の重さで、首や姿勢がひどく押しつぶされていました。
首が自由でないと、血液を頭部に押し上げるために、心臓にかなりの負担がかかります。この姿勢が高血圧の一因になっている可能性は十分にあると考えられました。
体の各部分の重さを正しいバランスで支えられていない
体の各部分はそれぞれ重さを持っています。その重さのバランスがうまくとれていないときに、押しつぶしは起こります。首、胸・背中、腰のあたりです。
押しつぶされている部分があると、どうなるか。筋肉はかたくこわばって、それ以上崩れ落ちないようにします。
もし押しつぶしに気づかないまま、こわばった体で仕事をしていれば、当然、作業がやりにくくなったり疲れやすくなったりします。
体だって、役割をこなすのに軽やかでいたいし、仕事のないときだったら、リラックスしたいはずです。
まずは「よけいなことをしてしまっている」と気づくところからスタートしてみてください。体の自然な働きによって、押しつぶしをやめようとする動きが感じられるかもしれません。
何かをやめる第一歩は、それをしていることに気づくことなのです。