街中でペダルを回さずに爆走する「電ジャラス自転車」が増えている。毎日12kmの通勤に自転車を使ってきた「自転車ツーキニスト」の疋田智さんは「道交法の改正で、一般的な電動アシスト自転車よりもハイパワーな電動サイクルが、無免許でも歩道を走れるようになってしまった。違法なフル電動自転車やペダル付きバイクも増えており、取り締まりが必要だ」という――。
「違法」「脱法」「合法」の3種類がある
スロットル一発で歩道を大暴走する「自転車」が蔓延している。いや、歩道、車道に限らず「うわー、ペダルを回さずに進んでくよ、あれはなんだー?」みたいなのが多数いる。ペダルを回していても、スマホを見ながら涼しい顔で楽々と急勾配を上っていくのもよく見かける。
ご承知の通り、最近激増した。あれらはいったい何なのか?
実は、あれらを全部ひとくくりで「違法の電動自転車」と言ってしまうと、ちょっと違うのだ。完全違法の「フル電動」ってやつもあれば、こりゃもうどう見ても違法と思いきや合法の「特定小型原付」ってやつもある。
正直申し上げてすべてが危険であり、私は「電ジャラス自転車」と呼んでいる。自転車と呼びたくすらないが、まあ「バイク(二輪車)」とすると、オートバイと区別がつかなくなるので、電ジャラス自転車としておこう。
おおまかにいって3種。「違法」「脱法」「合法」がある(全部危険)。このところの法改正で、この3種が非常に分かり難くなっているので、何がいけないか、それぞれ整理してみよう。
最初に警告しておくが、これら3種の電ジャラス自転車は2024年この日本で事故ラッシュを起こすだろう。いや今すでに起こしている。なぜこれを放っておくのか、私には本気で分からないのだ。
フル電動自転車は「公道は走れない」はずだが…
【分類① 違法電ジャラス自転車】
「フル電動」あるいは「モペッド」
「フル電動」あるいは「モペッド」
昨今、最も目に付く、最も危ないのがこれだ。見た目の差異でいうと、何よりスロットルが付いている。右手をひねればパワフルに走り出す。ペダルもあるけれど、踏まなくても走る。
多くの場合、ネットのみで販売され、小さく「公道は走れません」みたいな言い訳が書かれている。それもそのはず、日本では完全違法だからだ。
別名で「モペッド」ともいう。MOTOR+PEDALからできた造語である。