自転車の交通違反に反則金を課す「青切符」の導入を盛り込んだ道路交通法の改正案が、3月5日に閣議決定された。信号無視やスマホを使用しながらの運転、歩道走行などが取り締まりの対象になる。自転車評論家でジャーナリストの疋田智さんは「青切符の導入自体には大賛成だが、検挙にはメリハリをつけたほうがいい。現在多くの自転車が歩道を走っているのは、1970年の道交法改正の結果だ」という――。

日本の自転車の無法ぶりはヒドすぎる

自転車にクルマと同じ青切符(=行政処分)を導入することの是非については以前からずーっと議論されていた。

私としては大賛成。

正直申しあげて、もう違法自転車の傍若無人ぶりにはうんざりなのである。

私は約半世紀ものあいだ、ずーっと「自転車派」であリ続けた。もちろん今でも自転車派だ。自転車のことも、道交法のこともまったく理解していないような連中(弁護士にもいたりする)が「車道から自転車を一掃しよう」などとタワケた議論を投げつけてくる場合であっても、道交法の理念を説き、世界での扱いを解説し、自転車の利点と美点を言い、自転車の権利を守ろうとし続けてきた。

しかし、それとこれとは話が別だ。日本の自転車の無法ぶり、傍若無人ぶりはヒドすぎる。

なぜ、ヘルメットをかぶり、誰もいない交差点でも赤信号でストップする品行方正運転のこの私が、「電ジャラス自転車」(※)のヤカラや、ドケドケ運転の逆走ママチャリの擁護をせねばならないのか。

※ナンバープレートを付けていない違法なモペッドや、最近合法化された「特定小型原動機付自転車」の歩道走行などを指す。詳しくは過去記事を参照。

車道を逆走するママチャリ
筆者撮影
車道を逆走するママチャリ

すぐにでも一掃されてほしいというのが私の思いだった。

それなのに、私はなぜかあの連中のタテのような形になってきた。少なくともそう見られてきた。