「インターン中にこれを言ったらアウト」な発言

現場のベテラン社員や人事も含めてチェックポイントを共有し、点数をつけて評価している。

「たとえば課題を与えたときに質問が飛んでくるが、『どうやったらいいんですか』と、言ってくる学生が必ずいる。このタイプは教えられないと動かない人で、点数もマイナス。まず自分でどんな方法があるかを考えて、『こういうイメージでアプローチしたいと思うんですが、どうですか』と質問してくる人はプラス5点。当社に入っても仕事ができるなと思う」(前出・人事担当者)

若い女性が使用しているノートパソコンを指さし、指摘している上司
写真=iStock.com/mapo
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また、グループワークや実習でも指示されたことを率先して行動するタイプは好まれる傾向があるが、必ずしもそうではない。

「行動力も大事だが、当社のような業種は自分でロジカルに物事を考えることができるかを重視している。もちろん、頭で考えるより、とにかく行動力を重視する営業系の企業もある。たとえば、公道の樹木を社員が伐採してしまった中古車販売会社もあるが、うちではそういうタイプは一番たちが悪い」(前同)

前出の小売業では店舗での仕事体験も実施している。人事担当者はこう語る。

「現場のスタッフと一緒に仕事をするが、言われた仕事を一生懸命にやり、接客でも愛想が良い学生は、現場のスタッフからも『あの学生は行動力があっていいですね』と、評価も高い。しかしそれだけではだめだ。現場の動きを見ながら『もっとこうしたら効率が良くなるんじゃないですか』と、多少煙たがられても提案できる学生のほうが評価は高い。なぜなら店舗のスタッフを募集しているのではなく、店長を経て、エリア統括マネジャーができる幹部人材になり得るかどうかを見ている。問題解決力やリーダーシップを重視している」

前出の建設関連会社ではエントリーシートなど書類選考では見えなかった部分をインターンシップで深掘りするようにしている。

「たとえば事前の課題作文ではすばらしい提案をしているが、グループワークなどをやらせると何も話せない学生もいる。一方で、作文はたいしたことはなかったが、話をさせたら天下一品という学生もいる。また、話をさせてもわかりづらいとか、話が長すぎるとか一目瞭然になる」(人事担当者)

この建設関連会社では人柄や性格も重視している。

「チームの作業を見ていると、1人だけ関連のない作業を始めて浮いているとか、協調性に欠ける人は現場に出したら使いづらいなと思ってしまう。また、書類選考の成績は抜群で優秀だが、あまり楽しそうに仕事をしていない学生を見ると、当社のネームバリューだけで受けにきただけで、『この学生は1年も持たずに転職してしまうのではないか』と考えてしまう。当社に合わずに定着しそうにない学生は優秀でもマイナス評価になる」(人事担当者)

インターンシップでの着眼点やチェックポイントは業種や企業文化によって異なる。目指す企業はどんな社風なのか、どんな人材を求めているのかについて、OB・OG訪問などを通じて企業研究をすることが大事だろう。

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