会社はインターン学生のココをチェックしている

インターンシップは夏に始まり、秋と冬にかけて実施されるが、参加枠が限定されるので、通常選考と同様にエントリーシートの提出と適性テストを実施して絞り込む。

当然、人気企業は100倍近い倍率になり、狭き門となる。つまりインターンシップの参加資格が内定への一次ステップとなる。しかもその後の選考でも有利となる。

通信関連企業の人事担当者は……。

「すでにインターンシップ参加者はエントリーシートなどの書類選考をパスしているので、実際の選考では一般選考の学生と違い、面接から始まる。しかも優秀と評価された学生はいきなり役員面接が受けられ、クリアすると内定が出る」

建設関連会社では早期選考と通常選考の2つを実施している。インターンシップを通じて現場の社員に優秀だと評価され、なおかつ人事部が当社にふさわしいと思った学生を対象に1月から早期選考を行う。

同社の人事担当者は次のように話す。

「主に技術系が中心だが、現場のベテランエンジニアが見て本当に優秀だと思った学生に対して部長・役員面接を行う。目的は他社に採られないためだ。2月には内定を出しているが、全体の採用数の1割程度を早期選考で内定を出している」

通常選考は3月から実施されるが、一般応募の学生の中にインターンシップ参加した文系の学生も混じっている。人事担当者は「一般応募の学生とガチンコ勝負になるが、インターンシップ参加組はすでに能力も含めてよく知っている。結果的に内定を得るのはインターンシップ参加組が多い」と語る。

インターンシップは通常選考の面接と違い、ワークショップや仕事体験を通じてじっくり観察ができるのが最大のメリットと各企業の人事担当者は語る。では、参加した学生のどこをチェックしているのか。

インターンと会話する男性社員
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中堅システム開発会社の人事担当者はこう見ている。

「企業によって視点は異なると思うが、共通しているのは当社のビジネスにマッチングし、活躍できる人かどうかだ。それが見えるように参加者に課題を与え、グループワークを行い、最後に発表させるプログラムを作っている。見ているのは、ビジネスマナーをはじめ、課題解決に向けた考えるプロセスや、他の人に対して自分の考えを言語化できるコミュニケーション力などだ。考えるプロセスを通じて地頭の良さを見ることができるし、グループワークから本人の性格もわかる」