コロナで見た目年齢が一気に上昇

さらに、2020年から始まったコロナ禍も、見た目年齢を一気に老けさせる要因の1つになりました。

高齢者は新型コロナウイルスに感染すると、重症化や死亡のリスクが高いという理由で、国や地方自治体から外出を自粛させられました。

さらに、マスコミが「高齢者は外に出るな」といったキャンペーンを張ったこともあり、外出自粛を真に受けた高齢者の中には、筋力などの身体機能が低下し、歩けなくなって要介護になるリスクも高まりました。

そもそも、「自粛」なのですから、自分で決めればよいことです。それなのに、マスコミをはじめ、家族も含めた周囲の人たちからの同調圧力によって、多くの高齢者が自粛に追い込まれてしまったというのが真相でしょう。

するとどういうことが起こるのか。毎日散歩をして足腰を使ったり、友人と議論するなどして頭を使っていれば、あと5年くらい要介護が避けられたはずなのに、同調圧力に負けた高齢者は5年も早く要介護になってしまうということが起こります。

結果的に国の介護予算が増えるのですから、国がやったコロナ対策は本末転倒だったのです。

同調圧力に負けた高齢者に対しては、同情すべき点もあります。3年も家から出ない生活を続けていたら、歩けなくなるのは当然のこと。

それに気付いて、寝たきりになりたくないから散歩に出かけようとすると、「年寄りは家にいろ」と言わんばかりの目で見られるのですから、同調圧力を突破しようにも現実的には難しかったと思います。

足腰が弱れば見た目もヨボヨボ老人に見えます。認知機能が低下してきた高齢者に対しては、まわりの人間がヨボヨボ老人扱いするようになるでしょう。

マスクで見た目を気にしなくなった

コロナ禍ではもう1つ、見た目年齢を老けさせる大きな要因がありました。それはマスクの着用です。

マスクの着用に関しては、厚労省が2023年3月13日から、マスクの「着用は個人の判断が基本となります」と声明を出しましたが、まだマスクをつけた人もいます(23年10月現在)。

今もマスクを外せない人は、もしかしたら、見た目を隠したいのかもしれません。というのは、見た目年齢が老け込んだ人にとって、マスクはとても便利なアイテムだからです。

マスクをしてうつむく中年女性
写真=iStock.com/SteveLuker
※写真はイメージです

確かに、見た目が老けている人がマスクをつけていると、顔半分が隠されているわけですから、老けて見えにくいというメリットがあります。

その結果、女性であれば、お化粧も目のまわりだけですむので、見た目を若く見せることにエネルギーを使わなくなっていくのではないでしょうか。

男性でも、マスク生活が始まってから、ヒゲを剃らない人が増えたと言います。確かに、無精ヒゲを生やしていても、マスクをしていれば相手にはわかりません。

このように、コロナ禍のマスク生活が始まってから、外見に気をつかわない人がいっそう増えたような気がします。