「小さな勝利の積み重ね」が他の野党を変えた

メディアが「泉・志位会談」なるものを面白おかしく取り上げていた10月24日、泉氏は衆院本会議で代表質問に立っていた。演説の最後に、泉氏は最近のこれらの選挙結果に触れたうえで「生活者目線で特権政治を変え、行財政改革を進め政策を動かす。論戦できる国会にするため、私は戦います。どうか力をお貸しください」と、議場の上階を見上げ、傍聴席の国民に訴えた。

反転攻勢への手応えを感じさせる表情だった。

岸田政権が予想以上の急激さで崩壊し始めるなか、立憲が地道に小さな勝利を積み重ねてきたことを、他の関係政党が見ていないはずがない。

次期衆院選に向け立憲に対抗して次々と候補を擁立していた共産が、立憲の「連携と心合わせ」にかじを切ったのも、その必要性を感じたからだろう。そのためには「会談」「合意」といった党内向けの言葉が同党には必要なのだろうし、それを気にしない程度の「余裕」が、立憲には生まれている。

街頭演説を行う候補者のイメージ
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共産を毛嫌いする国民民主や連合の変化

「共産党との連携」に強い拒否反応を示す国民民主党や連合にも、変化の兆しがある。

国民民主党の玉木雄一郎代表は相変わらず「共産党との連携」を振り回して立憲から距離を置こうとするし、連合の芳野友子会長も同様に立憲にくぎを刺し続けている。今や政界で最大の「アンチ立憲共産党」勢力、と言ってもいい。メディアも2人の言葉をありがたがって取り上げる。

しかし、2人の言葉が必ずしも言葉通りに機能しているわけではない。

国民民主党は先の衆院長崎4区補選で、立憲の公認候補を推薦も支持もせず、関与の弱い「支援」にとどめた。しかし、同党長崎県連代表の西岡秀子衆院議員は、選挙戦で立憲候補の応援に入った。立憲との距離感について、国民の党内には温度差がある。

泉氏と志位氏の「あいさつ回り」の際、玉木氏はこれまでに立憲と行ってきた選挙区調整について「ご破算」の可能性に言及したが、泉氏は「玉木氏は何を見ているのか」と一蹴した。その後も、立憲と国民が9月に選挙区の「すみ分け」に合意した福岡でも、それをご破算にする動きはみられない。