「多弱の野党」を変える2つのステップ

一方の連合。芳野氏は11月9日の泉氏との会談で、次期衆院選で共産党の支援を受ける候補は推薦しない方針を伝えた。しかし翌10日の記者会見で、立憲候補の演説に共産党関係者が応援に駆けつけることについて「現実問題として仕方ない」とも述べた。「他党の支援がなくても勝てるよう地力をつけてほしい」とも付け加えたものの、芳野氏の発言としてはかなり意外性のあるものとなった。

そもそも、連合の清水秀行事務局長は10月27日、泉氏と志位氏とのあいさつ回りについて「共産党が少し過剰反応したのではないか」と記者団に語り、問題視しない考えを示した。トップの発言と組織の動きが必ずしも一致しないのは、国民民主党も連合も同様である。

「多弱」の野党のなかで第1党として求心力を得るためには、まず自らが野党の中核としての立場を確立し、その上で他党に協力を呼びかける、という2段階のプロセスを経る必要がある。

2021年衆院選、22年参院選の連敗でいったん「多弱」の状態に押し戻された野党が再び「まとまる」ため、泉氏はまず地道に党勢を拡大し、勝利体験を積み、求心力が上がったところで他党への協力を呼びかけた。思えば、立憲の初代代表の枝野幸男氏が結党当初、党勢拡大のために取った方法も、これと同じだった。

「立憲共産党」という批判にも党内の動揺はない

立憲の戦略は不十分とはいえ、一定程度奏功している。共産党にせよ連合にせよ、それぞれの関係者が「決して自らの立ち位置を大きく動かしてはいない」という建前のもと、渋々ながらも「野党は協力」の路線を認め始めている。立憲の小さな「勝利体験」の積み重ねが、目立たなくても少しずつ、野党の求心力再生につながりつつある。

「立憲共産党」という言葉からは、立憲の党内を動揺させて打撃を与える力は、もはや失われている。むしろ今後は、この言葉にしがみついて自民党や維新に色目を使い、かつての「保守系第三極」的な立ち位置を目指そうとする勢力が、逆に打撃を受けることになるのではないか。

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