「充実感は10点満点で何点か」と尋ねてみる
これは、業務を通じて感じていることを考えていくときに非常に役立ちます。具体的には、業務を通じての「充実感」「満足感」「成長実感」「貢献感」といった感情です。これをスケーリングで聞いていきます。
上司「業務を通じての『充実感』って10点満点だと、今何点くらいに感じられていますか?」
このような問いを投げられることで、とりあえずの点数を出します。
部下から「最近は、正直3点くらいでしょうか」と返ってくれば、そこから、満たされている点、足りない点に思いを巡らせることで、自分の充実感を高めるヒントがつかめるかもしれません。
上司「足りない7点分はどんなことがあるんだろう?」
部下「やろうと思ってできてないことがたくさんありますね。たとえば……」
そんなふうに、自分にとって緊急性が低く放置していた重要な事柄が思い起こされて、実践していくきっかけになることもあります。また、そもそも自分にとっての充実感を得る基準が何なのかを考えるきっかけにもなります。
1on1を「取り調べ」にしないためにも有効
同様に、「自分は業務で何が満足できていないのか?」「業務を通じて成長実感をどうやったら高められるのか?」「今の業務はチームや会社、お客様に貢献しているのだろうか?」といった感覚は、部下本人が正解を持っています。これらを整理して、やるべきことを明確にしていくことで、やりがいやモチベーションに影響を与えていくことが可能になるのです。
しかし、整理ばかりに焦点が当たると、話が仕分けされて、まるで取り調べを受けているような感覚になることもあります。ですから、ここに、先述のアクティブ・リスニングを組み合わせて、相手の言わんとすることや気持ちを丁寧に反映していくことにより、支援型コミュニケーションをスムーズに進めていくことができるのです。
1on1を行う上司のみなさんは、ぜひ、このアクティブ・リスニングと点数化を取り入れてみてください。