来春人気が急上昇しそうな8つの中堅校

それでは、来春2024年度に人気を博すと予測される中堅校はどこだろう。前出の竹中さんはこう話す。

「これから志望校動向がまだ大きく変わるのではっきりしたことは言えないのですが、注目されるところは、来春開校する開智所沢中等教育学校(埼玉県所沢市/共学校)ですね。その周辺の学校も開智所沢の登場で、その地域の中学受験熱を高めてくれるのではないかと期待しているようです」

開智所沢は「学校法人開智学園」が新たに設立する学校。同法人は、開智(埼玉県さいたま市/共学校/偏・男子62女子64〔先端特待〕)や開智日本橋(東京都中央区/共学校/偏58)などの人気校を抱える一大グループである。

竹中さんは来春の注目校についてこう続ける。

「あとは入試回数を1回から2回に増設する横浜雙葉。神奈川県の他の女子校の勢力地図を大きく変える可能性があります」

これに付け足してわたしより来春の注目校をいくつか挙げたい。

まずは、東京都市大学付属(東京都世田谷区/男子校)だ。今春入試で1日午前入試を設けた影響か、若干敬遠された向きもあったが、この入試変更の受験者数が公表されたことで、再び同校を狙う中堅層が多くなると見られている。

また、法政大学との高大連携と推薦枠増を発表した三輪田学園(東京都千代田区/女子校)も引き続き受験者を増やすことが考えられる。男女の定員を同数に変更することを発表したばかりの法政大学第二(神奈川県川崎市)の受験者動向も目が離せない。

矢野耕平『わが子に「ヤバい」と言わせない 親の語彙力』(KADOKAWA)
矢野耕平『わが子に「ヤバい」と言わせない 親の語彙力』(KADOKAWA)

さらに、それまでの翌日発表から1日入試を即日発表に変更した頌栄女子学院(東京都港区/女子校)は近年受験者が減少していたが、これを機に人気が復活する可能性もある。同校は早慶上理進学率(実数)ランキングで全国第1位を誇る名門校である。

その他、芝浦工業大学附属(東京都江東区/共学校)、目黒日本大学(東京都目黒区/共学校)なども現時点の模擬試験の志望者をチェックすると、昨年比でかなり増えている。

話を戻すが、大切なわが子の一度きりの中学受験。「たかが中学受験」と冷めた目で見ることも必要な反面、わが子にとっては人生の大きな岐路になることは間違いない。

この中学受験を後悔の残るものにしないために、わが子にとって「安全校」になり、かつ6年間預けたいと心から思える学校を最後の最後まで探し続けてほしいと思う。

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