糖尿病リスクは、ビール、ワイン、蒸留酒で関連性なし

中尾篤典・毛内拡(著)、ナゾロジー(協力)『ウソみたいな人体の話を大学の先生に解説してもらいました。』(秀和システム)
中尾篤典・毛内拡(著)、ナゾロジー(協力)『ウソみたいな人体の話を大学の先生に解説してもらいました。』(秀和システム)

また、アルコール性肝硬変ではインスリン抵抗性が増加し、血糖値が上がります。ちなみに、アルコールの種類による糖尿病のリスクは、ビール、ワイン、蒸留酒の三者では特に関連性はないことがわかっています。

ワインはポリフェノールを含む健康飲料であるとか、焼酎は血糖値が上がらないとか、都市伝説もありますが、一緒に食べるおつまみや食事にも影響されますし、いずれにしても飲みすぎはよろしくないようです。

このように、糖尿病の発症のしやすさは遺伝因子や環境因子に影響を受けますが、特にアルコールに注目すると、アルコール摂取量の適切な管理が糖尿病予防に重要なこと、またアルコールに強い人ほど糖尿病になりやすいことがわかったのです。

出典
① Pontzer H, et al. Daily energy expenditure through the human life course. Science. 2021; 373(6556): 808-812.
② Spracklen CN, et al. Identification of type 2 diabetes loci in 433,540 East Asian individuals. Nature. 2020;582(7811):240-245.
③Takeno K, et al. ALDH2 rs671 Is Associated With Elevated FPG, Reduced Glucose Clearance and Hepatic Insulin Resistance in Japanese Men. J Clin Endocrinol Metab. 2021; 106(9): e3573-e3581.
④ D Sluik, et al. Alcoholic beverage preference and diabetes incidence across Europe: the Consortium on Health and Ageing Network of Cohorts in Europe and the United States (CHANCES) project. Eur J Clin Nutr. 2017; 71(5): 659-668.

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