子育てチームの仲間を増やす
子育てをするうえで、養育者自身がメンタルヘルスを保ち、心に余裕を持てるようにすることは大切なことです。子育てに困難を感じることがあれば、「あきれられるかも」「叱られるかも」などと心配しないで、保育所や幼稚園、学校、子育て支援センター、児童相談所、児童精神科などの第三者機関に相談してください。特に子どもを過剰に怒ってしまう、虐待的な対応をしてしまうというのは、ご自身がかなり追いつめられている状態ですから、ぜひ専門家にアドバイスを求めましょう。
子育てをしていると、子どものことを思うあまり、自分からは見えなくなってしまう景色があります。ひとつのエピソードでも、角度を変えると違って見えてくるものがある。信頼できる第三者とつながることは、子どもを養育者とは違った角度から見て、新しい解釈を与えてくれる育児のチームメートを増やすことでもあります。そうすることで、家族間の誤解が解けたり、子どものよい面が見えてくるでしょう。
これまでお話してきたように、怒りの感情には意味があります。怒りという感情を深く知ることで、その裏にある自分の本当の気持ちに気づいたり、何らかの行動を起こし、状況を変えるきっかけにもなります。怒ってばかりのご自身やお子さんを情けなく思うのではなく、その奥に隠されたメッセージに耳を傾け、ご自身やご家族にとって必要な支援に出合っていただきたく思います。
(聞き手=沖本敦子)