仕事はどういう順番で取り組むべきか。戦略コンサルタントの田中耕比古さんは「やるべきことが多いとき、まずは着手する前に今のタスクリストを減らすことから取り掛かるといい。そのうえで重要度・緊急度ともに低いが『やる必要がある』となった場合でも、今度は『別の人にやってもらえないか』を考えるといい」という――。

※本稿は、田中耕比古『仕事の「質」と「スピード」が上がる 仕事の順番』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

タスク管理
写真=iStock.com/Olga PS
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大事な仕事のために、脳内メモリーを空ける

目の前に、深く考えたり、しっかり集中したりしないとやり切ることが難しそうな「重いタスク」と、サクッと片づけられそうな「軽いタスク」があったときに、あなたは、どちらから手をつけますか。

私の考える正解は「軽いタスクを、さっさと終わらせる」です。

人間の脳内メモリーは有限ですから、一度に多くのことを考えたり、それらを同時に処理したりするのは困難です。何かひとつの物事にあたる際には、どうしても、そのことだけに処理能力を集中させることになります。

重いタスクは、長い時間がかかりますし、高い集中力も求められます。長時間集中して仕事をするときには、あらかじめ、気が散る要素を減らしておくことが望ましいです。

軽いタスク、たとえば、メールを返信する、会食のお店を予約する、打ち合わせの時間を調整する、会議室を押さえる、年末調整の書類を提出する、オフィスのコーヒー豆を注文する……といった「その気になれば一瞬で終わること」は、日々の仕事のなかでたくさんあります。

そういう軽いタスクをやらないままにしておくと、重いタスクに集中できません。

たとえば、大事なお得意様向けの営業資料を作る、来年度の売上目標をエリア・支店に割り当てる、四半期ごとの生産計画の振り返りと翌四半期の計画変更をする、コストと品質のバランスを確認して仕入先を見直す……

などの「じっくり考えなければいけないこと」をやっているときに、「あ、年末調整の書類を出さなきゃ」「明日のお店を予約していない。どこにしようか……」「そういえば、コーヒー豆がなくなっちゃうなぁ」

なんてことが脳裏に浮かんでしまうと大変です。集中力も実行力も鈍ってしまい、仕事のパフォーマンスが低くなってしまいます。