考えるべきは「このタスクをやる必要があるか」

3.やらないこと、他人にお願いすることを決める

整理した結果は、大きく次の4つに分類されます。

「ⅰ 重要度・緊急度ともに高い」
「ⅱ 重要度は高いが、緊急度は低い」
「ⅲ 重要度は低いが、緊急度は高い」
「ⅳ 重要度・緊急度ともに低い」
「ⅰ」は、重要かつ緊急なので、最優先で今すぐ片づけたい仕事です。
「ⅱ」は、重要ですが急いではいないので、少し時間的な余裕があります。
「ⅲ」は、重要ではないので本来ならば後回しでよいのですが、納期が迫っているので早々に終えてしまう必要があります。
「ⅳ」は重要でもないし、急ぎでもない仕事です。

このように仕事を分類した上で、最初にやるべきことは、「ⅰ重要度・緊急度ともに高い」を実行する……ではありません。

優先順位の高いものがわかったのだから、それをやろうと考えてしまいがちですが、それは良策とは言えません。

最初にやるべきは、「やらずに済ませるわけにはいかないか」を考えることです。

もちろん仕事なのですから、すべてのタスクは「やったほうがいい」に決まっています。

しかし、今のあなたは、仕事があふれている状況、いわば緊急事態なのですから「盲目的に全部やる」ではなく、「やらずに済ませられるものは、やらない」という選択肢も考えるべきです。

つまり、

「タスクリストを減らす」

わけです。

まず考えるべきは、「本当に、このタスクをやる必要があるのか?」です。

時には「別の人の力を借りる」ことも有用である

特に「ⅳ重要度・緊急度ともに低い」に分類されるタスクは、必要性を疑いたくなります。とはいえ、多くの場合は「やる必要がある」という結論になるでしょう。

しかし、「よくよく考えると、やらなくてもよさそうなこと」も意外とあるものです。それらについては、「本当にやる必要があることなのか/やらないことで起こる問題は何か」を、上長や先輩など、適切な人に確認してみましょう。

文書の誤りを指摘するアジアの実業家
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

「やる必要がある」となった場合であっても、今度は「誰か別の人にやってもらえないか?」と考えます。もちろん、ほかの人も忙しく働いているでしょうから、なんでもかんでも誰かに投げるわけにはいきません。

とはいえ、そういう仕事が得意な人や、同じような仕事を担当していてまとめて作業してしまうことが可能そうな人などがいるのならば、そこにお願いしてしまうことで、あなたのやるべきタスク量を減らせます。

当然、「やらないわけにはいかない」「誰にもお願いできない」というケースも多いでしょうが、タスクリストを減らせないか、と考えることは有用です。