仕事をスマートにこなす人は何をしているか。戦略コンサルタントの田中耕比古さんは「仕事の手戻りと修正を減らすには、経験豊富な人にアドバイスをもらうことが重要だ。その際に用いる理想的な上司への声かけとしては、『1時間ください』と公式な打ち合わせにするのではなく、軽いトーンで『15分程度お時間もらえませんか』と言うといい」という――。

※本稿は、田中耕比古『仕事の「質」と「スピード」が上がる 仕事の順番』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

黒板に空白の吹き出しを持つメガホンを持つ手
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手戻り、修正を減らす最良の方法

仕事の効率や生産性の最大の敵は、「手戻り」です。どれだけ先手を打って仕事を進めても、どれだけ作業のスピードが速くても「やり直し」が発生してしまうと、仕事は前に進んでいきません。

ですから、仕事に取り掛かる前に、手戻り、修正を減らすための手を打つべきなのです。

たとえば、これまで取り組んだことのない種類の仕事やプロジェクトを担当する場合には、まず、「この進め方で問題ないか」を上司や先輩、その分野の経験がある人、クライアント等に確認することから始めましょう。

上司や先輩は多くの経験を積んでいます。そのため豊富な知識があり、考え方の引き出しも多く持っています。彼ら彼女らと話すことは、あなたひとりでは気づけなかった視点を得ることにつながります。

一番いいのは、仕事を依頼してきた人と直接話すことです。相手が何を求めていて、この仕事をどのように進めてほしいのかについて、依頼者の頭の中にあるイメージを聞くことができれば、間違いようがありません。

その人と話すことが難しい場合、あるいは、忙しくてなかなかつかまえられないというような場合には、経験豊富な上司や先輩に相談しましょう。

それも難しい場合は、同僚に相談しましょう。場合によっては後輩に相談してもよいと思います。ただし、自分よりも経験が浅い人からは有益なアドバイスが出てくる可能性が低いので、できるだけ経験豊富な人を選ぶほうがいいでしょう。