仕事の進め方が上手い人は何をしているのか。戦略コンサルタントの田中耕比古さんは「多くの人は『締め切り』は意識するが、『作業時間』は考えない。しかし、仕事の質とスピードを上げるためには、『粗い作業見積もり』は禁じ手だ。作業時間は細かい作業単位で、長くても1~2時間程度、短ければ5~10分単位で見積もるべきである」という――。
※本稿は、田中耕比古『仕事の「質」と「スピード」が上がる 仕事の順番』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。
「粗い見積もり」は作業をズルズル遅らせる
スケジュールを決めるときに、意識すべきことはなんでしょう。
「何を、いつまでにやるのか」
一言でいえば、これだけです。
極めてシンプルなことですが、これが、なかなか難しい。なぜ、人は締め切りに間に合わないのでしょう。スキルが足りない、作業が遅い、行動が遅い、集中力がない……など、原因はいろいろ考えられます。
しかし一番の問題は、「作業時間を見積もる」を怠ることにあります。
作業時間を見積もらない、もしくは見積もりが甘いと、作業がズルズルと遅れていきます。焦って遅れを取り戻そうとしても、遅れを取り戻すための作業に対する見積もりも甘い状態で取り組んでしまうため、結局間に合いません。