見積もりを行うことで個別に作業を振り返れる
この考え方のよいところは、予定通りの時間で作業が終わらなかったときに、どこに原因があるのかがわかるところです。
どの作業が想定よりも長くかかったのか。それはなぜなのか。見積もりが甘かったのか、不測の事態が起こったのか、など細かな単位で原因を振り返ることができます。
細かな見積もりをしないまま作業を進めてみて、3日後に、なぜか半日分作業が残ってしまっていた、となっても、その原因を明らかにするのは困難です。
また、見積もりがあれば、仕事を進めている最中に、自分が予定通り進んでいるのか、遅れているのか、あるいは、順調に進んで予定よりも早いのか、について把握することができます。
もし、遅れていると判明した場合には、どうやって遅れをリカバリーするのかを早々に考え始めたり、上司や先輩に「このままでは間に合いそうにない」というアラートを上げたりすることができます。
未来の自分が困らないよう、仕事を始める前にしっかりと「どの作業に、どれくらいかかるのか」を考えておきましょう。そうすれば、締め切りに追われることが少なくなります。
スケジュールは「いつから手をつけるか」を意識する
もうひとつ、スケジュールへの落とし込みのコツをお伝えします。
先ほどの悪い例のように「ざっくり3日かかる」という作業見積もりをしていたときは、見積もり結果がそのままスケジュールになっていたはずです。しかしながら、今回、私たちは「もっと細かい作業単位で、作業時間を見積もった」状態にあります。
今度は、それを自らの勤務時間にあてはめていきましょう。
ここで大事なのは、「何に、いつから手をつけるか」を意識することです。
仕事が毎回締め切りギリギリまでかかったり、遅れたりしてしまう最大の要因は、「締め切りが近づくまで手をつけないから」です。
仕事の緊急度が上がってから、さぁ手をつけよう、と思い立っても、もはや十分な作業時間が残されていないということになります。
「いつから手をつけるか」を意識し、明確な作業の進め方をイメージしておくことで、締め切りに間に合うように、段取りをつけて仕事を進められます。