※本稿は、山本大平『「すぐやる」よりはかどる! 仕事を「短くやる」習慣』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
仕事を「同時並行」で進めるのが苦手な人の共通点
たくさんのタスクを抱えている場合でも、その進め方は人によって異なります。
ひとつのタスクを最後まで終えてから、他の仕事に手を付ける人もいれば、ある程度の区切りができるまでは、他のタスクに手が付けられないという人もいます。
几帳面な人ほど、こうした進め方をしているようですが、それでは後回しにしたタスクが、すべて遅くなってしまいます。
現代のビジネスはスピードが命ですから、すべてのタスクを同時並行で進めて、短時間のうちに全部のタスクをやり終える必要があります。
これが、「マルチタスク」と呼ばれる仕事との向き合い方です。
几帳面な人が、同時並行を苦手とする一番の理由は「頭の切り替え」ができないことにあります。
上手に頭を切り替えて、すべての仕事を効率的に進めるためには、自分の「集中力」の限界点を見極めて、それを「切り替えスイッチ」として活用することです。
高校の授業は50分やって休憩、大学の授業は90分やって休憩、自動車の運転はカーナビが2時間で休憩を推奨するなど、世の中にはザックリとした切り替えの目安がありますが、集中力の限界点は人によって違いがあります。
「自分の集中力は60分が限界だな」と思うならば、その前にタスクがひと区切りしたら、すぐに別のタスクに取り掛かることが重要です。
ここで休憩タイムを挟んでしまうと、せっかくフル稼働している「脳」を再起動させるのに時間がかかります。
「脳の限界点」と「肉体的な限界点」は異なる
人間の脳は別の刺激を与えることによって、「休憩」→「活性化」することが科学的に証明されていますから、他のタスクに取りかかることによって、集中力を持続することができます。
脳の集中力の限界点と、肉体的な疲労の限界点は異なります。
タスクとタスクの合間に無理して休憩タイムを挟む必要はなく、「目が疲れた」とか「腰が重い」と感じ始めたら、その段階で休憩を取るだけで実は十分なのです。
気持ちがノッているときは、休憩を挟まず、次の仕事に取りかかった方が早く終わる!