自分に自信がない人は、どうすれば自信を持てるようになるのか。セラピストのひすいこたろうさんは「欠点は残念なイメージがあるが、見方を変えると魅力的なポイントになる。それは、井上雄彦さんの漫画『スラムダンク』(集英社)の登場人物に表れている」という――。

※本稿は、ひすいこたろう『世界一たのしくてためになる「幸せ」の授業』(サンマーク文庫)の一部を再編集したものです。

映画『THE FIRST SLAM DUNK』本ポスター
映画『THE FIRST SLAM DUNK』本ポスター(C)I.T.PLANNING,INC.(C)2022 SLAM DUNK Film Partners

キャラクターの魅力を引き立てるための秘密

「欠点」は残念なイメージを連想するかもしれませんが、読み方次第で、ステキなイメージに変わります。どう読むといいでしょうか?

スラムダンク』や『バガボンド』など、国民的人気漫画を生み出してきた井上雄彦さんは、キャラクターの魅力を引き立てるための秘密をこう明かしています。

「登場人物すべてに、かならず1つ○○を作ること」

さて、この○○には何が入るでしょう? (答えは漢字2文字です)

はい。それが冒頭の問題の「欠点」です。

井上雄彦さんは、『スラムダンク』成功の秘訣ひけつをこう答えていました。

「登場人物すべてに、かならず1つ欠点を作ること」

なんでもできるオールマイティな登場人物は絶対に作らないのだとか。

たしかに、主人公・桜木花道は才能はあるけど、バスケットの経験がゼロ。

そのライバル・流川楓はすごいテクニックを持ってますが、デイフェンスに穴があり、体力もない。

宮城リョータは、すばしっこくて敏捷性はピカイチですが、身長が低い。三井寿は、天性の素質を持ちながらも、グレて一時期バスケ部を離脱。ブランクがあり、体力に問題がある。

キャプテンの赤木剛憲(通称ゴリ)はディフェンス力に優れ、リーダーシップもあり、情熱も申し分ないんですが……いかんせん、あだ名の通り、顔がゴリラ似!(笑)

凹んでる人がいるからこそ、凸の出番が生まれる

こんなふうにみんな欠点があるのですが、それを支え合い、活かし合うから、いいチームになり、面白いドラマ(漫画)になるんです。

かならず登場人物に欠点を作る。これが漫画を面白くするコツなのだとか。

図にすると、こうです(図表1)。

凹んでる人がいるからこそ、凸の出番が生まれるんです。あなたの欠けてる点は、誰かに出番をプレゼントしていることになるのです。

そう考えたら、欠点こそ愛。欠点こそ慈悲です。

これで冒頭の問題の正解がわかりましたよね?

「欠点」とはけているでなく、この世界を面白くする上で、あなたにかせないなんです。