相談事が職場内に漏れる
④マネージャーに裏切られる
「なんでも話していいよ」
「気になっていることがあれば言ってください」
マネージャーAさんのこの言葉を素直に信じた、中途入社のBさん。それならばと心を開いて話してみた。気になる職場の慣習、同僚たちから雑談ベースで聞いた話や素朴な疑問。別にその場でどうこうしてほしいわけでも、解決してほしいわけでもなく、「なんでも話していい」「気になることがあれば」と言うから、あくまでカジュアルな雑談として。こういう対話も大事だろうと思い。
ところが、そこからマネージャーの表情が一転。
「なに、そんなことが起こっているの⁉」
「だれがそんなことをしているの(言っているの)?」
まずい、これは大事になってしまう。そんなつもりはなかったのに。そう考えたBさんは、発言をとり下げた。
「大事にするつもりはないですし、騒ぎになると私の立場もなくなるので、この話は忘れてください」
「わかりました。ほかの人に話したりもしないですし、私が現場で騒ぐこともしませんから。安心してください」
その約束を交わし、Bさんはいったん胸を撫でおろす。
ところが、後日同僚のCさんとDさんからこんなひと言が……。
「なんか、Aさんからいろいろ聞かれたよ(苦笑)」
「別に騒ぐほどのことじゃないのにねぇ……」
マネージャーAさんによる現場の事情聴取と「犯人探し」が始まっていた!
「なぜ、だれも望んでいないことを勝手にするのだろうか……」
Aさんに苦言を呈するも「マネジメント上必要だと思ったので、そうしました」のそっけないひと言。同僚とうまくやっていきたいのに、現場のコミュニケーションは何も問題がないのに、なぜわざわざチームに溝を生じさせようとするのか。
「もう、このマネージャーには迂闊なことは言えない。気になることがあっても、絶対この人には言ってはいけない……」
こうして、表面的な対話しか起こらない「見た目上は朗らかな」1on1が繰り返されるのでした。
(うまくいっていそうなチームほど、実態はこんな有様だったりしますから、経営トップのみなさん、要注意ですよ!)