1on1は仕事を押し付ける場ではない

③しれっと責任の所在(主体)を渡される

「1on1しようよ」

マネージャーのこのひと言に応じたのが運のツキ。仕事の進め方や、キャリアの悩みなど雑多な相談をしようと思って臨んだものの、気がついたら重たい仕事をしれっとマネージャーから押しつけられて終わった。

そのような「押しつけ儀式1on1」にありがちな言動や行動がこちら。

●キミはどう思うの?

ふた言目には「キミはどう思うの?」で切り返してくるマネージャー。もちろん、思いを聞いてくれるのはうれしいし、尊重してくれる気持ちもうれしい。しかし、口癖のように「キミはどう思うの?」を繰り返すマネージャーはどうもね。

そもそも、このテーマはあなた(マネージャー)の仕事では? 私はお手伝いのつもりで参画しているだけなのに、いきなりどう思うのと聞かれても……。

その仕事を私に任せたいなら、その合意形成が先でしょう。なぜ相手に思いを問うのか、そのココロや相手への期待をまず知りたいです。「キミはどう思うの?」攻撃で、じわじわ責任の所在をメンバーにパスするのはやめてほしいなぁ……。

●「気の利く勇者」待ち

マネージャーが問いやテーマだけ投げ込んで、ひたすら沈黙。「私がやります!」と相手(メンバー)が言うのを待っている状態。なんていうか、相手にYESを言わせたいムード満々。

もちろん、たまにはそういう場があってもいいかもしれないけれども、毎回それだとさすがにメンバーは警戒してしまいますって。

●後出しジャンケン

とりあえずテーマだけ設定されて1on1開始。そこまではいいものの、「私が引き受けます!」と言ったが最後、後から「あれもやって」「これもやって」「じつはこういう事情があって」と、いろいろと重たい要件や制約条件を盛り込んでくる。まるであと出しじゃんけん。前言撤回したい。

いずれも破壊力抜群! あ、この景色、それこそバスケットボールの1on1に雰囲気が似ているかもしれませんね(苦笑)。

この手の「押しつけ儀式1on1」が常態化すると、メンバーは1on1を警戒します。そして「言ったモン負け、受けたモン負け」の文化が色濃くなる。

そして、極め付きがこちら。