酒離れが進むビール業界の活力が高まるか

それによって、わが国のビール業界には、かなりの影響があるはずだ。今回の缶ビールの値下げ、ビール需要喚起のための新商品投入は、今後のビール各社のシェア、競争力に大きく影響する可能性が高い。より高い満足感の実現を目指し、ビール各社の新商品開発は熱を帯びるだろう。

ビールにかかる酒税引き下げをきっかけに、少量生産された缶入りクラフトビールの人気が高まる展開も想定される。そこに収益機会を見出した企業や個人が、クラフトビール製造に参入し、ビール業界の活力が高まる展開も想定される。

大手メーカーが中小のビールメーカーを買収するケースも増えるかもしれない。ビール人気の高まりを取り込んで収益の増加につなげるために、海外のクラフトビールメーカーなどとの業務提携、買収が模索されることも考えられる。

10月に控える酒税引き下げは、消費者にとって、より手頃な価格で、より多様なビール体験を実現する機会の増加につながる可能性が高い。多くのビール愛好家にとって、たまらない夏が到来しそうだ。

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