『パティスリー・サダハル・アオキ・パリ』は、シェフパティシエである青木定治さんの会社だ。菓子作りのトップが経営者を務めるという構図は、業界では異例といわれる。青木さんはなぜ「雇われの菓子職人」では満足できなかったのか。フードジャーナリストの三輪大輔さんが聞いた――。

業界の常識を壊したパティシエ

あなたはケーキ1個にいくらまで出せるだろうか。

パティシエの青木定治さんが2005年に『パティスリー・サダハル・アオキ・パリ』1号店を丸の内に出したとき、ケーキは1個800円、マカロンは1個300円で売り始めた。