外貨MMFの為替差益や債券の売却益は非課税。金の売却益は50万円までOK

施行時期は決まらないものの、どうやら消費税率の引き上げは不可避のようだ。給与や年金の収入、あるいは預貯金や国債、株式や投資信託などの利益にも、税金は課せられてしまう。とはいえ、サラリーマンにできる節税策は限られている。不動産投資などで損失をつくる方法はリスクが高すぎるだろう。そこで、だれにでも簡単にできる“合法的な”節税方法をご紹介しよう。さまざまな非課税枠をうまく活用して、少しでも徴収される税金を少なくしようという趣旨だ。

預貯金の利息に関しては、だれもが非課税の恩恵を受けられるわけではない。勤務先に財形貯蓄制度があり、マイホームの購入や老後資金の準備といった特定の目的に限り、最高550万円まで非課税枠を利用することができる。また、身体障害者手帳の交付を受けている人、障害年金や遺族年金を受給している人などは、障害者等の非課税貯蓄制度が、最高700万円まで利用できる。この非課税枠、かつては1050万円であったが、郵政の民営化により郵便貯金に適用された非課税枠350万円がなくなっている。

非課税になる貯蓄・投資の種類
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個人向け国債の登場により、国債を含む債券投資が身近になっているが、債券投資をする場合、満期前に売却するのが鍵になる。債券は満期まで保有すれば、額面金額が戻ってくるが、満期前に現金化する場合は、市場で売却をすることになる。この売却益は、私たちがどんなに利益をあげたとしても原則非課税。ただし、個人向け国債は売却益が発生せず、外国債券のうちゼロクーポン債などの売却益は譲渡所得となり総合課税となる。だが、譲渡所得には年間50万円までの特別控除があるため、売却益が50万円以下なら税金はかからない。ここ数年値上がりしている金の売却益も、ゼロクーポン債と課税の考え方は同じである。

外貨投資なら外貨MMFは売却益と為替差益が非課税。外貨預金だと為替差益が雑所得になるから、こちらが有利だ。

利回りに若干の改善が見られる保険期間5年超の一時払い養老保険の利益(利子相当額)に対する課税は、一時所得で総合課税。一時所得にも特別控除が50万円あるため、年間の利益が50万円以下であれば税金はかからない。損害保険会社の傷害保険などの満期金に対する利益も、課税関係は一時払い養老保険と同じ。バレなければ大丈夫と思うかもしれないが、保険商品は各税務署に支払調書が提出されているので、非課税枠を超えて利益があれば素直に確定申告しよう。