中元や歳暮に便利。よく利用するデパートで無理せず使えば断然有利!

仕事柄、さまざまな世代の個別相談を担当させていただく機会がある。その際、家計の現状を知る重要な情報源となるのが、毎月および年間ベースでの収入と支出だ。特に注目するのは支出項目で、私は、これを“家計の体力”と言っているが、たとえ収入がほぼ同じでも、家族構成や生活スタイルはもちろん、貯蓄に対する考え方や趣味・嗜好などによって支出項目や支出額はまちまちだ。

傾向としては、住宅購入や子供の進学など、具体的な支出が見えてきた段階の家計ほど、生活必需品を中心に、ケタ外れの浪費はあまりみられない。ただ、日頃、家計管理を頑張っているだけに、「わが家には、これ以上節約できる術はない」と思い込んでいることが多いのだ。

そんな家計でデパート利用や旅行が支出項目に目立つときに、他の対策とともに紹介するのが、「百貨店の商品券積み立て」や「旅行券積み立て」の有効活用だ。

デパート商品券積み立ての仕組み
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デパート商品券積み立ての仕組み

百貨店の商品券積み立ては、図のように、12カ月積み立てると1カ月分のボーナスがつく仕組みだ。これを年利に直すと約15.38%と驚きの利回りになる。

毎月の預入金額によってコースは複数あるが、もちろん、どれを選んでも利回りはかわらない。有効期限もなく、利益は非課税だ。ただし、使いすぎには注意したい。そこで、購入目的が決まっている総額までの少額コースを選んだり、口数を分けて、中元・歳暮などに満期の時期を合わせてみるといいだろう。

実際、[趣味] [小遣い] [その他] といった支出項目を詳しく聞くと、休日の買い物や食事、冠婚葬祭、中元・歳暮、あるいは接待関連の買い物や休憩時間など、男・女を問わず、百貨店の利用は意外と多いようだ。家計簿をつけていない人も、クレジットカードの明細などで履歴を確認して、よく行く百貨店に積立制度がないかチェックしてみよう。

また、旅行が多い人には、大手旅行会社や航空会社などが扱う旅行券積み立てが効率的だ。基本的な仕組みは百貨店積み立てとほぼ同じだが、毎月払いコースの他に一括払いコースがあるのが特徴だ。満期も最長5年と長いものもある。ただし、年利は百貨店積み立てより低く、キャンペーン期間を除くと1~5.3%程度が一般的だ。用途としては、主にパック旅行などの各種旅行に充当することができ、ANA・JALでは国内航空券のみの発券も可能だが、取扱会社によって違いがありJR券や国内航空券のみは購入できないなど制限がある場合もある。利用の際は細かい確認が必要だ。

どちらの商品も、満期までの継続が基本で、満期時には自社の商品券・旅行券で返される。また、独自の措置を講じるところもあるが、積立先の倒産リスクには注意したい。