性的欲求を感じない“アセクシャル”は1%
すでに書いたとおり、性的欲求を感じない“アセクシャル”の人も1パーセントいる。
セックスとは、そんなに誰にでも魅力的なものではなかったのだ。それを楽しめないのは、とりかえしのつかない損失のように言われるのはおかしかった。
“セックスレス”の定義は「セクシュアル・コンタクトが一カ月以上ない状態」(日本性科学会)で、セクシャル・コンタクトには、キスやペッティングも含まれる。つまり少なくともここでは、“挿入”だけがセックスではないとされている。
これからはセックスの捉え方をもっと広げてもいい。挿入することだけがセックスで、それは最高のもの。それ以外はその前段階でしかない。こんな特別扱いがおかしかった。
恋愛感情を持って仲よく話をするのも、体に触ったりすることも何分の1かのセックス。こんなふうに考えてみるのはどうか。高齢になったらどうせ挿入はしなくなって、できることはスキンシップまでになるのだから。
スキンシップも必要以上に低く見ず、セックスと地続きのものととらえる。そんな見方は、あらゆる垣根が取り払われている今の時代に、とてもよく合っている。
※1 対象は二十~三十代の男女。「結婚・家族形成に関する意識調査」内閣府、二〇一四~一五年
※2 「恋愛・結婚調査」ブライダル総研、二〇一九年
※3 「LGBT意識行動調査2019」LGBT総合研究所
※4 「ジャパン・セックスサーベイ2020」日本家族計画協会
※5 「第15回出生動向基本調査」国立社会保障・人口問題研究所、二〇一五年