苦悩を生む原因は自分の心の中にある

あなたは、貪瞋痴の無限ループにハマっていないでしょうか?

自分の胸に手を当てて考えてみてください。

「私は大丈夫。煩悩はないし、人生に苦悩することもない」

そう断言できる人であれば、ブッダのアドバイスに耳を傾けなくても巧みに生きていけるでしょう。まさしく“釈迦に説法”です。

大愚元勝『自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法』(アスコム)
大愚元勝『自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法』(アスコム)

でも、そんな人はおそらく少ないですよね。人は大なり小なり、苦悩を抱えているものです。ゼロということは、なかなかないと思います。だから、巧みに生きるための智慧を身につけなければならないのです。

何度も言うように、苦悩を生む原因は自分自身にあります。その自分を客観的に、正しく見ること。これが智慧です。

「我」や「慢」によって自分のことを色眼鏡で見ていることに気づかない限り、苦悩がなくなることはありません。自分の都合の良いようにものごとを見て、望むように事が運んでくれるだろうと考えて、それを前提にものごとに取り組んでいては、結果的に失敗し、苦しみ、悩み、ストレスを溜め込むことになります。

「誰かのせい」にすると苦しみから抜け出せない

そして、その原因が自分にあることを棚に上げて(その事実に気づかずに)、原因を相手に求め、「あいつが悪い」と非難・攻撃します。究極的には殺人を犯すか、自らを殺害してしまうことにもなります。そういう極端なことをしてしまう愚かな存在が、人間なのです。

だからこそ、そうならないために、巧みに生きていくために、智慧を育てましょう。人間の心のしくみを理解し、感情をコントロールできるようになりましょう。その方法論がきちんと体系立てられているのがブッダの教え、すなわち仏教です。

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