通りすがりの人との会話でもしあわせな気分になれる

たとえば、犬を散歩している人を見かけたら、「かわいいワンちゃんですね。お名前は何ていうんですか?」と飼い主に声をかけ、名前を教えてもらったら、「またね~、○○ちゃん」と手を振りながら通りすぎるだけでも、ものすごくしあわせな気分になれます。別に知り合いにならなくともいいのです。

スーパーやデパートで買い物をするときには、レジ係の人に、「ここのお惣菜って、本当においしいんですよね」とひと言だけ話しかけます。いきなり話しかけられてビックリする店員さんもいるかもしれませんが、たいていは笑顔を見せて、「ありがとうございます」などと返事をしてくれます。

友人などいなくとも、知らない人と、ちょこちょこと話すようにすれば、それで十分です。別に友人を作ろうとしなくとも、軽いコミュニケーションを意識してぜひあなたもトライをしてみてください。きっといつもと違う気分を感じることができるはずですから。

スーパーで主婦とレジ係
写真=iStock.com/maroke
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人気者は人気者で大変

人気があることは、もちろん素晴らしいことなのですが、人気者には、人気者ならではの問題があることをご存じでしょうか。

「いろいろな人とお付き合いできて、いいなぁ」とたいていの人は感じていると思うのですが、あまりに多くの人と付き合っていると、精神的にものすごく疲れてしまうのですよ。

人気者は、人気者で大変なのです。

フロリダ大学のジェニファー・ハウエルは、サマースクール・プログラムという、65の大学から参加した学生たちについての調査をおこなっています。

このプログラムでは、知らない人たちとやり取りをする中で、どのようにネットワークが形成されていくのかが調査されたのですが、ネットワークの中心にいる学生、すなわち人気者の学生ほど、主観的にはハッピーになれることがわかりました。ここまでは、「やっぱり」な結果です。

ところが、ハウエルがさらに調べてみると、そういう人は、風邪をひきやすくなり、精神的に疲れるのか、酒量が増えることがわかりました。

決して、いいことばかりではない、ということがわかったのです。

考えてみれば、芸能人やタレントもそうでしょう。

一見ファンや周囲のスタッフにチヤホヤされることは、ものすごくうらやましいように思うのですが、それがずっと続くとけっこううんざりしてくるはずです。

なにせ、みんなにいい顔を見せつづけるのは、かなりの重労働ですから。