できる社員は、事象よりも人に興味を持つ
相手に関心をもって丁寧に聞くことで結果的に相手を巻き込みます。
できる社員は、事象よりも人に興味を持つことが多く、それが聞く姿勢に現れます。
ペンとメモを持参して、最初に一言「メモを取っていいですか?」と相手に尋ねます。
これは「聞いたことを記憶に残したい」という意思表示であり、同時に「あなたの発言は大切です」という伝達になっているのです。
尋ねられた相手にとっては嬉しいです。
耳で聞き流すのではなく、心と頭でしっかり「聴く」姿勢が相手に伝わるからです。
次の特徴は「深くうなずくこと」です。
うなずきというのは、いわゆる首を縦に振る動きですが、できる社員はうなずきが深いのです。
特にオンライン会議では、顎と頭がビデオ映像の画角からはみ出るくらい大きく深くうなずいている方がいました。
「あなたに興味・関心があって、しっかり聞いていますよ、理解していますよ」という熱意を相手に伝えているのです。
それが相手に伝わると嬉しくなってもっと多くのことを話したいと思わせます。
上司の暴走を止める「聴き方」
できる社員は首の動きによって、聞いている姿勢を見せて相手の腹を割っていたのです(図表1)。
できる社員は「うなずき」で上司の暴走を止めていました。
上司は良かれと思って、同じことを何度も繰り返して発言します。
それは、聞き手が理解していないと認識しているからです。
オンライン会議ではビデオをオンにする参加者は21%しかいません。
その状況で、自分の言っていることを相手が理解しているかを判断することは困難です。
そこで、できる社員は上司が暴走している時こそ、自分のビデオをオンにして大きくうなずいていました。
「しっかり聴いていますよ、しっかり理解していますよ」というアピールをしていたのです。
聞き手が理解していると分かったら上司は同じ発言をしなくなります。
しっかり「聴く」姿勢を見せることで、相手との距離感を縮め、興味や理解度を伝えることができるのです。