警戒心を持たれていると「は」に引っかかる
①能力とプロセスをほめる
できる社員は、外見ではなく能力、結果だけでなくプロセスをほめていました。
ほめ言葉に関連するアンケート調査によると、相手との関係性が深いと素直に受け止められるが、浅い関係の相手には警戒心を抱き、多少疑ってしまうという結果が出ました。
例えば、警戒心を持たれていると「マフラーはステキだね」の「は」に注目されてしまって「マフラー以外はステキではないのかも」と思われてしまいかねません。
「やせてスマートになったね」と言われた場合「太っていると思われていたんだな」と受け取る人もいます。
できる社員は、視覚的情報よりも能力や感性をほめるようにしていました。
例えば「そのマフラーを選ぶセンスが素敵」という具合に「マフラー」をほめるのではなく、マフラーを選ぶ「あなたのセンス」をほめていたのです。
「スマートになるまでダイエットを続けられる努力がすごい」と、体型ではなく努力をほめれば、相手の能力を承認したことになります。
見た目だけでなく内面、結果だけでなくプロセスをほめてもらうと承認欲求が満たされます。
こうしたセンスや努力をほめることで相手を快く感じさせていました。
先にポジティブワードを聞いた方が印象に残りやすい
②倒置法でほめる
2つ目の特徴は倒置法の利用頻度です。
できる社員は相手をほめる際に、倒置法をよく使います。
倒置法はあえて通常とは異なる順序で表現することで印象を強める表現技法です。また、感情的に伝わる効果もあります。
「そのマフラーを選ぶセンスがあって素敵だね」という表現ではなく、「素敵だね、そのマフラーを選ぶセンスが」という倒置法を使っていたのです。
先に「素敵」というポジティブワードを聞いた方が印象に残りやすく、テンションが上がりやすいのです。
倒置法の利用頻度の差は定量的に計測できなかったのですが、一般社員よりも相対的に多かった印象はあります。