「所持金10万110円」でドバイへ逃亡

「俳優S。彼に九州で当時17歳だった女子高生を紹介しております。その女子高生と彼はホテルの部屋内で飲酒をし、セックスをするという行為に至っております」「俳優AによるNMB元所属Kに対する飲酒、性行為の強要。当時彼女は未成年でした」

これは、昨夏話題になった、参議院選にNHK党から立候補したガーシーこと東谷義和氏(51)の政見放送の一部である。

47のイニシャルを延々述べ、当選した暁にはこの人たちの実名を公表すると「公約」したのである。

その上、当選しても登院はしないとも約束した。事情があってドバイに移り住み、そこから立候補したことも話題になった。

NHK党のガーシー参院議員が秘書を通じて参院に提出した文書=2023年2月27日午前、国会内
写真=時事通信フォト
NHK党のガーシー参院議員が秘書を通じて参院に提出した文書=2023年2月27日午前、国会内

ここで、ガーシー氏の来歴を見てみよう。

ガーシーの著書『死なばもろとも』(幻冬舎)によると、韓国の超人気グループ・BTSに会わせてやるとだまして、女の子たちから集めたカネ数千万円をギャンブルで溶かしてしまったため、慌てて犯人引き渡し条約を結んでいないドバイにとんずらしたという。その時の所持金は10万110円だった。

それまで彼は、芸能人や有名人たちに女性を“秘かに”紹介する「アテンド業」をやっていたそうだ。

「絶対のポリシーは、人の秘密を守ることや」

「かれこれ30年近くにわたって、俺は芸能人やタレントのアテンダーとして生きてきた。華やかなスポットライトを浴びながら数百万人、数千万人の視聴者から注目される仕事は、精神的ストレスがハンパやない。仕事が終わればドッと疲れが襲い、憂さ晴らしをせにゃ翌日の営業に差し支える。

アテンダーの仕事は、そんな彼らに束の間の安らぎを与えてあげることやった。

歌舞伎町や銀座、六本木に西麻布、札幌のすすきの、大阪の北新地とミナミ(道頓堀)、那覇の辻や松山。北から南まで、かわいい女の子、きれいな女の子を血眼になって探し求めてきた。その子らを有名人に紹介するアテンド業が、俺の職業や。

ええことばかりやない。汚れ仕事なんざいくらでもある。いや、汚れ仕事ばっかりや。芸能人のケツを拭いても俺自身がスポットライトを浴びることなんて一度もない。アテンダーは黒子や。黒子が前にしゃしゃり出て目立とうなんざ、論外や。一生日の目を見ない。それでええんや。

アテンダーとして俺が守ってきた絶対のポリシーは、人の秘密を守ることや。何を笑っとんねん。ホンマや」(『死なばもろとも』)

これを読めば分かるように、アテンダーなどと気取った言葉を使っているが、やっていることは「女衒」である。