ハツラツ脳を作るのは「フレキシブル思考」

「とにかく、発見があって楽しい」

彼はそう結論付けましたが、彼とのやりとりで、私が何よりも感心したのは「小さな旅」という彼の言葉です。

コロナ禍にかぎりませんが、とくに70代、80代の人に必要なのは、「旅行か巣ごもりか」という二者択一の思考ではなく、「こんな考え方もあるな」という「フレキシブル(flexible)=柔軟性のある」思考です。

フレキシブルという言葉は、日本語では「曲げやすい」「融通のきく」とも訳されます。

「フレキシブル」思考が必要(※写真はイメージです)
写真=iStock.com/AlexSecret
「フレキシブル」思考が必要(※写真はイメージです)

ちなみにフレキシブルの反対語は「インフレキシブル(inflexible)」ですが、「頑固な」「融通のきかない」とも訳されます。

コロナ禍においては、国内においても「移動の自由」が、半強制的といっていい状況で奪われました。

民主主義国家において完全に保障された権利が奪われたのですが、その不自由さは小さなものではありませんでした。

もちろん、専制主義国家のような絶対的な命令ではありませんでしたが、一時は移動を犯罪視するような風潮もありました。また、その同調圧力も半端なものではありませんでした。

「しばらく、こちらには帰ってくるな」

東京在住の地方出身者の中には、実家の家族からきつく帰郷を止められていた人も多かったようです。

地方では、東京ナンバーのクルマが、まるで犯罪者が乗っているかのように思われたケースも少なくなかったようです。

そんな状況下、日本人のほとんどは旅行を自粛していたわけです。